暁 〜小説投稿サイト〜
天才小学生と真選組の方々。
ラスボス
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俺たちは今歩いている。
日乃下黄河を捕まえた後、尋問をすると、あっさり朧との関係を認め、朧との待ち合わせ場所に連れて行ってくれると言ったので、俺たちは今日乃下黄河について行っているところだ。
少年探偵団には、ここからは俺たちの問題だから、と言っておいたが、「僕たちも行く!」と言って聞かず、結局ついてきている。もちろん平次も一緒だ。
ちなみに恋奈はいない。連れて行こう、という人もいたが、悪用される危険もある、ということから、連れてこなかった。
俺は歩きながら、病院から出る前に恋奈と交わした会話を思い出していた。

その会話は病院を出る前に交わしたものだった。
土方さんたちが日乃下黄河(以下黄河)の聞き込みをしている最中、俺は特にすることがなく、恋奈の部屋を訪れた。
恋奈はお父さんと思っていた黄河が実はお父さんではなくしかも事情聴取をされているのだというショックからだろうか、俺が病室を訪れた時は泣いていた。
「恋奈」俺は静かに声をかける。が、恋奈は顔を上げない。あ、そうか、と思い直し言い直す。
「怜愛」
恋奈がこっちを向いた。そして、「ああ、あなたでしたか。」と言うと涙を拭い、恥ずかしそうに笑うと言った。
「事情聴取の結果を伝えに来てくれたんですか?」
「いいや」俺はベットに腰掛けると言った。「ただ単に、大丈夫か、と思ってねぃ。お父さんだと思ってた人が、実はお父さんじゃなくて、しかも自分の記憶を無くさせた張本人だったなんて、耐えられないだろうと思いましてねぃ。」
「あら」恋奈は恥ずかしそうにふんわりと笑った。「バレてましたか。えーっと、確かあなたは…」
「沖田総悟でさぁ。記憶をなくす前は総悟、って呼んでたんで、総悟でいいでさぁ。記憶をなくす前はこんなおしとやかじゃなくて、自由人でマイペースな憎たらしい幼馴染みだったんですけどねぃ。」
「あ、そうなんですか。総悟も大変ですね。憎たらしい幼馴染みにこんな敬語を使わなくちゃいけないなんて、ね。」
「そうですねぃ。あ、渡したいものが。」
俺はそう言って、いつも持ち歩いているみんな(万事屋のみんなと真選組)が映っている写真と恋奈の隊服を渡した。
「これは?」
「記憶を無くす前恋奈と撮った写真と、記憶を無くす前恋奈が着ていた服でさぁ。」
「なるほど。ところで、恋奈というのは記憶を無くす前の私の名前ですか?」
「あ」
俺はうっかりした、と声を漏らす。
そんな俺を見て、恋奈はクスリと笑うと言った。
「わかりました。恋奈、ですね。そう呼んでくださって結構ですよ。記憶が戻ったら、この事を笑い話にできるでしょうか?」
「そうだといいですねぃ。」
俺と恋奈は顔を見合わせて笑った。
恋奈はしばらく隊服と写真を見つめると、写真を指差して言った。
「これが私ですかね?ほら、ここの、笑っ
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