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男は今日も迷宮へと潜る
第五話 
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けて。
マサは足早に上の階層を目指した。

────

「──っていうことがあったんだ」

「牛頭の巨人って・・・・・・ミノタウロスじゃないですか!?」

「良く無事でしたね・・・・・・あれ、五階層なんかに居ていいものじゃないですよ?」

「あぁ、()()がなければ即死だったかなぁ」

「むぅ。無茶しないでくださいよ」

「だいじょぶだいじょぶ。融通が利くってのは知ってるだろ?」

「そうですけど・・・・・・」

外には夜の帳が降り、遠くから大通りの喧騒が聞こえてくる。
あばら家の中のベッドにうつ伏せになったマサとそれに跨るイシュタム。
現在【ステイタス】の更新中である。

「ここをこうして・・・・・・っと。はい!終了です!」

「ほいほい。ありがとさん」

「さてさて。どんなもんですかねぇ」

【ステイタス】が書き写された紙を受け取り目を通す。
魔力と敏捷と器用がギリギリH、他が低めのIと言った具合。
スキルも魔法も何もないまま。
正直言って微妙である。

「まぁ・・・・・・こんなもんだろうねぇ。銃しか使ってないし」

「さて、寝るとしますか。明日も早いし」

「昨日と同じで俺は床、嬢ちゃんはベッドな」

「え、でも──」

「良いんだよ。神様と添い寝なんて恐れ多いぜ?」

「むぅー・・・・・・」

イシュタムの顔が膨れる。昨日は添い寝を提案されたが丁重に断った。
自分はロリコンではないし、こんなオヤジと添い寝というのもあれだろう。

「ほいじゃおやすみさん」

「・・・・・・マサさんの馬鹿」

聞こえない、聞こえない。

夜は静かに更けて行く。

────

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