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その手で引き金を引け!!
第十章 隠された実力
第二話 今はそうなら
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ぼくは今、可憐と手合わせしている。
断る理由はない。受ける理由もないが。
何か吹っ切れたのか、可憐はいい顔で戦ってくれる。
それはありがたい話。
可憐のトリガーはユウから貰ったトリガーで通ることになった。
それは構わないのだが。
ただ、あまりにも強すぎてぼくでは手合わせにならない気がする。

38-8

まだ戦うつもりだろうか。
いい加減、飽きてもらいたい。
加古隊の双葉が使うような“高速斬撃”が飛んでくる。
しかも、あのクレイモアではスコーピオンは葉っぱみたいなもの。
あっさり割られる。

双葉みたいにはじめに軌道を決めてるわけじゃない。
意識が追い付かないからそんなわけな・・・
いや、可憐の育った世界が世界だからその考えはやめよう。
無理、あり得ない、は思考停止ワードだから。
まさかとは思うけど、意識より体を先に動かしているとか。
右腕を暴れさせて剣を実は振り回しているだけ。
そうなると意識は、右腕より暴れる右腕を押さえる精神力にいく。
疲れたり動揺したりすれば使えない技か。

「もうやめない?ぼく、しんどい」

「えー、まだまだ〜
しろーの馬鹿〜」

「戦闘民族・・・」

「あ?なんつった、おい!!」

ここで負けたら、将来ぼくは尻に引かれる。
それが確定してしまう。
負けずに睨みかえそう。

「はいはい、いいわよ。
加古さんと銭湯いく約束あるし」

「初耳」

「そりゃ今、言いましたから」

「・・・教えてくれてもいいじゃん」

「え、ストーカーするの?」

可憐はユウに何をされてきたのか、知りたいような知りたくないような。
彼氏とはこんなものらしいな。

可憐が泣きついてきたのは数時間前。
あちらからいきなりキスしてきたのは驚いた。
しかも泣きながら。ボーダー本部の会議室前ですが。
誰もいなくて良かったと本気で思う。
仕方なく屋上に連れていくと、

「寒い、寒い。士郎がいじめる。
あぁ、歌川くんが士郎って呼んだら暖まるのに」

通常運転に戻った。
泣きついてきたのは先程ではないようにすら思える。
士郎って言われたのは嬉しくないわけないが、歌川に言われたら吐き気がする。
でも可憐は少しぼくの事を考えてくれていた。

「私、絶対守るからね。
それと絶対にこの世界に私はいるから。」

そのあとの台詞は録音したかったな。
ぼくぐらいしか聞こえない小さい声で

「士郎・・・いるから・・・帰りたく、ない」

と言われたら、無視できません。
可憐に守られるのは嫌ですけど。

「ぼくが守るからね」

「・・・」

なぜか不思議そうな顔をされる。
そしてぼくが不愉快にしかならない台詞を吐かれた。


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