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ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
平穏な日々
紅色の策略 04
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など、調整する箇所は多いだろう。 ヒースクリフはカリスマ性があるくせにその手の実務に手を出そうとしないので、そう言う面倒ごとはアスナさんが全て捌くようになっているそうだ。

 まあ、攻略組でもトップクラスの実力を持ったキリトのことだ。 さすがにいきなり幹部待遇とはいかないだろうけど、それでもこのままいけばそれなりの自由は保証されるだろう。 そうでなくとも鬼の副団長様がキリトを縛り付けることを良しとしないのは明白で、その点キリトはやっぱり恵まれている。

 「さて、じゃあそろそろいこっか?」

 大体の話しが纏まったようなので切り出すと、キリトは何も察していないのか、頭上にはてなマークを浮かべて首を傾げる。

 「キリトの残念会。 サチ姉が準備してくれるって言ってたよ」
 「サチが?」
 「本当は祝勝会のつもりだったらしいけどね。 ねえ、アスナさんはどうする?」
 「私は……いえ、色々とやることがありますので」
 「んー、それって後に回せない? ほら、バタバタしちゃってちゃんと紹介できなかったし、それに、黒猫団のメンバーにも紹介したいしさ」

 食い下がる僕が珍しいのか、アスナさんは怪訝そうな顔で僕を見て、それから察してくれたらしい。 コクリと小さく頷いた。

 「わかりました。 それではお邪魔します」
 「お前ら、いつの間に仲良くなったんだ?」
 「どっかの黒いののせいだよ。 フォローする身にもなってほしいよね、まったくもう」

 盛大に吐いたため息の意味がわからないキリトは、アスナさんに説明を求める視線を送るけど、それは黙殺された。



































 22層は結構好きな層だ。
 面積の殆どが森林や湖で構成されているここは、僕のホームがある層とは別種の居心地の良さがある。
 フィールドにモンスターは出ないし、迷宮区自体の難易度も低く、フロアボスも弱かったので、攻略はたったの3日で終わった。 故に攻略組からすれば記憶に薄い層だろう。
 面積の殆どを占める森林の奥地では良質な素材が取れるため、《伐採》スキル持ちの木工職人が、あちこちに点在する湖で釣りをするために《釣り》スキル持ちの趣味プレイヤーが時折訪れるくらいで、それ以外のプレイヤーはあまり見かけない。
 そんな人の少ない層だからこそ、目立つのが苦手なキリトとサチ姉がホームに選んだのがこの層だった。

 アインクラッド22層の南西エリア。 ただでさえ森と湖ばかりの22層の中でも殊更にそれらが多い穏やかな村。 その外れにあるログハウス。 そこが2人のホームだ。

 「こんなところにプレイヤー用の物件があるなんて知りませんでした」

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