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衛宮士郎の新たなる道
第9話 変化する朝
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 夜。
 川神市周辺の何所とも知れぬ場所にて、ある何かが現出していた。

 『・・・・・・ぬ・・・さぬ・・・・・・るさぬ・・・・・・・許さぬ・・・許さぬ!』

 女性の声に聞こえなくも無いそれは、明らかに憤激に彩られていた。

 『我・・・・・・ち・・・が・・・を・・・・・・などと・・・・・・決して許・・・ぬ!』

 自らも決まった形があるワケでは無いが、それは虚空に向けて憎悪を解き放つ。

 『――――ガイア!』

 しかし日が昇りにかかると、それは始めから無かった様に掻き消えていた。


 −Interlude−


 「約束通り・・・と言うワケでは無く、遅れて来るとはな」

 翌日。
 士郎は毎朝通り鍛錬に励んでいると、そこにはむすっとした百代が朝の鍛錬時に着る道着姿で衛宮邸に来ていた。

 「私は毎朝最低限の鍛錬しかやってないが、それに丸1時間も必要としない」
 「最低限?」
 「そ・う・だ。ツケの払いを待ってもらっている分、今回の掃除については面倒だけど従うが、鍛錬時間や内容にまで口出しされる筋合いはないぞ!」

 自分の時間を士郎の勝手な提案により削られたので、百代は露骨に不服そうだ。

 「それは確かにな。それで鍛錬は済んだのか?」
 「まだだ・・・・・・・・・・・・あっ!」

 そこで、百代はある悪巧みとはいかないが、自身の欲を満たすためにある事を閃いた。

 「そうだ衛宮!私の鍛錬には組手相手が必要なんだ。付き合――――」
 「そんな嘘は通じない。お前が何かしら画策してくるんじゃないかと思って、学園長にお前の朝練内容については聞いてるんでな」
 「何だと!?」

 士郎の言葉が予想外だったのか、百代は驚愕に目を剥いた。

 「――――と言う事で組み手は無しだ。俺は道場で鍛錬の続きをするから、川神は好きなところでやっていてくれ」

 士郎は百代の返事も聞かずに道場に行ったが、折角閃いた企みを速攻看破された事に当の本人は心底悔しかったのか、くっそ〜と呟き漏らしていた。


 −Interlude−


 士郎の鍛錬法は極めて苛烈である。
 気を全身に張り巡らせるように強化させながら、超絶的に自分の体をいじめる様な過酷な筋力トレーニングをこなしていく。
 こうする事により筋力が付いて行く超回復の過程の中で、筋肉の組織の崩壊と今まで以上に強化される筋肉の再構築が通常時よりも何倍にも膨れ上がり、更に筋肉が凝縮されて行く。
 それに加えて、前の世界で様々の師の下での教えや世界中にある修練方法を学び分解させて、自分の体に合った鍛錬方法を再構築したのだ。
 しかしこの鍛錬方法は、士郎の体質の恩恵による士郎専用の修練。
 その為にどれだけ才能の高い者が
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