暁 〜小説投稿サイト〜
執務室の新人提督
48
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
い。司令は、黒潮と一緒に登下校したい人生だった、とまで言い出したんだぞ」

 磯風は仏頂面のままぶっきらぼうに言い放ち、乱暴に洗い物を始めた。黒潮は頬を染めて照れ笑いだ。陽炎はそんな二人を見ながら溜息を零した。ついでに、神通直伝の突撃準備を始めた不知火を押し留めていた。
 
「司令の事だから、いつもの良く分からない言葉でしょ? その後、黒潮に司令が何かした?」

 陽炎の言葉に、磯風と黒潮は同時に目を瞬かせた。そして、暫しの後それぞれ別の動きを見せた。磯風は納得と頷き、黒潮は長い溜息を吐きながら肩を落とし始めたのだ。
 
「ほら、何も無かったんでしょう? だから不知火も戻って。今日は皆訓練とか演習があるんだから、早く終わらせて準備するわよ」

 手を叩いて皆を纏める。個性的な姉妹達を持つ長女の貫禄が、今の陽炎にはあった。
 
「でも、黒潮はあとで詳しく話し聞くから覚悟しておいてね?」
「えー……」

 それでも、やはり彼女もまた乙女であった。姉として納得できても、一乙女として納得行かぬ事もあるのだろう。
 もっとも、個性的な姉妹のまとめ役、長女である彼女なのだからこんな物だろう。
 
「あぁそうそう磯風、尋問用に一品作っておいてね!」
「えぇええええええええええええ!?」

 ……こんな物だろう。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ