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忘れ去られし古伝
二説目…
KNOCKIN ' ON HEAVEN 'S DOOR
4話

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一人の武士有り。

眼は我を向かず…一つ向こうを差し候。

炎を伴う七尺五寸の大剣を肩に支え、気を触る。

我は想う。


いかに攻め申すか。否。

時を賭け腹に納まりし、あの眼の向こう。
我らよりも一段上の者の存在。

互いの指す標を、我は理解し候。








奴はな。
皇帝に謁見しに行ってからよ、そのまま姿を消したよ。

そりゃ、うち見たいな使い捨ての典型的な隊がよ。
奴のおかげで、凄い武勲を起ててんだから。

お偉いさんから呼び出しもあるさ。

皆でな、酒飲みながら話してたんだ。

隊長になって帰って来たらどうする?
なんてよ。

結局そりゃなかったけどなあ。







友への義がござる。
今の話は、腹に据えかねる。
この国の気の良い侍の為に、幾度と旨い酒を酌み交わした、この国の宝の為に…

友が仕える主君の話は、聞くが事で容赦願う。


だが、拙者、己の主君こそ見極めさせて頂く。
それこそが命の義の契り。

愚者は拙者の主君に非ず。

友への義は、生涯忘れぬ。

主君たる者こそ。 
努々、忘れる事の無きよう。







どこ行ったんだろうなあ…

楽しかったんだよ、奴といると。
皆よ。

あんな堅物を絵に書いたような奴、まあ、いないぜ?

その癖、酒好きなのに弱いし…

腕が逹つからとか、そんなんじゃねえんだよ。

いつでも死ぬ覚悟はあるさ。
怖いけどよお。

そんなんじゃねえ…そんなんじゃねえんだ…

友達だからよ。

奴はよ。


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