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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第3話 サソリの正体
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少年の名前が「サソリ」であることが分かったのだが、学園都市全ての生徒の能力データが保存されている「書庫(バンク)」に検索を掛けても該当する人物は存在しないことが分かった。唯でさえ特徴的な恰好と赤い髪というのは数がそんなに多くないので、実質のところサソリの身元を証明するものがこの学園都市に存在していないことになる。
「ダメですねえ……どこにも所属していないみたいです」
初春は病院に許可をもらい、ノートパソコンを持ち込んで色々と情報を集めているが、ベッドに横になっている少年の情報は全くと言って良いほど出てこなかった。
「たぶん、お前らが知らねえもんだと思うぞ」
点滴を受けている左腕を鬱陶しそうにしながら、横になっているサソリは言う。
「能力は何かないの?」
「能力?」
「そう、あたしの電撃みたいな感じのやつ。黒子だとテレポートみたいな」
と言いながら黒子に目配せを行う御坂。黒子は期待に応えるように一瞬だけ消えてサソリのベッドの隣に移動した。
その様子にサソリは眠そうな眼を見開いて、白井の姿とさっきまで居た空間を往復して見る。
「私は、こんな風に座標計算で自分や物体を移動させることができますのよ」
得意げに自分の能力について説明をする。
能力的には有名どころで超能力特集ではよく出てくる項目だろう。しかし、空間に物体を瞬間的に移動させることは総じて高い演算能力が求められるという。一説によれば次元ベクトル演算が必要となるが詳しいことは数学を専門的に行っていれば多少理解はできるらしい。
だからといって、理解できても白井のようにテレポートができるとは限らないので、ここでは能力を発動させるのに高い座標計算が普通の能力者、一般人よりも求められることを記しておきたい。
「……お前、時空間忍術が使えるのか」
「はい?」
「かなり高度な術をこんな娘がか……」ボソリと独り言のように言う。
白井の能力に似た忍術があることをサソリは思い出していた。
時空間忍術というのは、字で示す通り「時空間を操作する術」である。主に使われるのは空間を超越することだ、相手との距離がある程度空いている場合には空間を瞬時に移動して、音もなく近づくことが可能だ。
サソリの元いた世界では、滅多に御目に掛かることはなく、あくまでサソリは敵として遭遇した場合における対処を情報として持っているにすぎない。
しかし対処法というよりは、むしろ回避策に近い。
使用者がいた場合は「手を出さずに逃げる」ことがセオリーだった。
確か、かつての木の葉の火影が使っていたらしい。
白井の能力に近い忍術は「飛雷神の術」であり、どちらも傍から見れば同じように見えるが、白井の空間移動(テレポート)は、移動させたい対象に身体の一部が触れていなければ効果がなく、一方の飛雷神の術は、事前にチャクラでマー
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