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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第78話 ホッホ峡の決戦Z(終)
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 人間 vs 魔人


 その構図は、歴史上ででも何度もあった事だ。そして、人間は 魔人に比べてあまりにも非力であり、その絶対的な能力の前には、無力だった。

 ここに1つの例を出そう。
 長きに渡る人間の歴史の中でも、最強の称号を持つのに相応しい男の話。

 JAPANに生を受けた《藤原 石丸》

 かの男は、魔王ナイチサ時代の後期に、JAPAN盟主であった藤原家の4男として生まれた英雄だ。幼い頃から剣術に長けており、いや あらゆる力を超越した剣技を振るっており、本来家督を継げる地位を持たない者であったが、冒険大好き、挑戦大好き、と言う性格があった故に、僅か20でJAPANの《地獄》に赴き、鬼の秘宝を集めて、《初代帝》となり、JAPANを超えて、大陸に進出。5年足らずで、大陸の南側半分を支配下に置くと言う圧倒的な力を誇っていた。


 だが、それはあくまで《人間の枠内》の話なのだ。


 その行動に目を付けた当時の魔王ナイチサは、ある魔人を派遣、殲滅を命じた。
 如何に、人間の枠内では、無敵を誇った男であっても、魔人と人間の間は、途方も無い程 差があるのだ。 

 魔人の軍勢は、僅か2ヶ月でほぼ壊滅に追いやられ、藤原石丸も 魔人の絶対的な能力を前に、なすすべもなくその生涯を終えた。

 

 もしも、その魔人の絶対的な能力を覆す事が出来る()をかの男が持っていたとすれば……、とも思われるが、歴史に たら、れば、は有り得ない。それが理なのだ。





 そして、現代《自由都市圏内 ホッホ峽》

 この場所でも、再び歴史は繰り返そうとしている。
 
 魔想志津香は、確かに魔法の才は素晴らしいモノを持っている少女ではあるが 魔人の前ではあまりにも非力だった。

「はぁ、はぁ……っ!! 炎の矢っっ!!」

 サイドステップで軸をずらしながら放たれた炎の矢が、曲線を描いて 魔人アイゼルへと向かう。

「……………」

 アイゼルは、それに反応する素振りすら見せず、魔法は直撃するが、まるで効果はなかった。何かにかき消された様に、炎が消え去ったのだ。

「……それで?」

 余裕の笑みを見せながら、そう言うアイゼル。志津香はただただ、肩で息をしていた。魔法をもう何度放ったのか判らない。故に相当疲労をしているのだ。

「(やっぱり…… まず、直接攻撃する魔法は、無理……!)……ならっ!」

 だが、志津香の目には、まだまだ光はあった。決して諦めたり、絶望したりしていない。強い目をしたまま、魔法を繰り出す。

「粘着地面!!」

 志津香の魔力で地面に生まれた特殊な魔力の膜。それは 粘着すると言う特殊な魔法ではあるが、足止めの魔法ともなれば極めて優秀な力だ。そし
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