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リリなのinボクらの太陽サーガ
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それはともかくとして……価値観の違いや過去のいさかいで仲違いが起きるかもしれぬと想定していたが、どうやら杞憂で済みそうだ。

「そのようですね」

「おお、戻ったかシュテル」

「はい。ただいま戻りました、我が王。今回の任務はちょうど現地にいたマキナのおかげで無事に成功し、手に入れたデータは現在解析を進めています」

「そうか。それでマキナは、またどこかへ出向いておるのか?」

「はい。例えば……」

フゥ〜ッ。

「むみゃぁあああっ!?」

いきなり耳元に息を吹きかけられ、背筋がゾゾォ〜っとなってたまらず変な声を出してしまった。くたぁっとへにゃっている我の前で、シュテルとマキナが示し合わせたようにニヤリと笑っていた。

「王の後ろとかですね」

「た、たわけ! やっと帰ってきた矢先にこのような真似をするでないわ!」

「ごめんごめん、シュテルに乗せられて何となく面白そうだと思っちゃってさ」

「えっへん」

「そこで胸を張るなシュテル! まったく貴様らは……だが元気そうで何よりだ、マキナ。……おかえり」

「ただいま、王様。……やっぱり王様は優しいね」

「だからって頭を撫でるな。我は一応おまえの上司だぞ?」

「でも身長は私達初期メンバーの中でも小さい方だよね? 皆もちゃんと成長してるのに」

ぐ……地味に気にしてる事を! しかし燦然たる事実だから何も言い返せん……。プログラム体である我らが成長するのは確かに妙かもしれぬが、それは教主殿から与えられた月の力が大きく影響している。何というか……本来“モノ”とも言える我らを“ヒト”らしくしてくれているのだ。
その結果、我らはオリジナルと同様に身体が成長しているのだが……我の場合は子鴉を基にしたのが悪かったのか、シュテルやレヴィと比べて身長の伸びが悪い。ちなみにオリジナルと比べると我らの方が身長が僅かに低い代わりに全体的に身が引き締まってしなやかで、凹凸のメリハリが出来ているらしい。恐らく普段からCQCの訓練を行っているからだろう。前にアリスがそのような事を言っておった。

ただ……身長の点だけ見れば、ユーリの方がむしろ深刻かもしれぬな。この一年で伸びたのはたったの2ミリ……当然、身長も一番低いままだ。本人は牛乳を飲むなどをして頑張っているが……効果のほどは推して知るべしだ。

それにしても改めて目の前にして思うが、マキナはちょっと成長し過ぎではないか? ウェアウルフ社に匿われていた頃からその兆候はあったが、シャロンを探す旅でしばらく見なかった内に彼女はいわゆるワガママボディとも言える身体になっていた。まぁ実際の年齢はともかく肉体年齢だけ見れば年長者だから、一番成長しているのは当然かもしれん。

う、羨ましいなんて思ってな
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