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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第171話 襄陽城攻め4
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視すると、視線を母親に向けた。彼女は母親の衣服を籠に投げ込むと孫堅に近づき、孫堅の胸元の服を開いて傷を確認しようとした。

「傷がない。どういうこと」

 孫策は狐にでも騙されたように呆けた顔で母の開けた胸を凝視した。孫権は孫堅にかけより衣服を整えた。

「清河王が治療してくれたんです」
「蓮華様、清河王のお力についてご説明しないと雪蓮様も理解できないかと」

 孫権に甘寧が孫策を擁護した。すると孫権は孫策に正宗が張允の傷を治療した経緯を説明した。その話を聞くと孫策は疑わしい者を見るような目で孫権と甘寧を見た。

「二人とも騙されているんじゃないの」
「じゃあ、母様の傷はどうなるんです。その血塗れの衣服はどう説明するんです」

 孫権は姉・孫策に疑いの目を向けられ腹立たしそうだった。

「車騎将軍が母様を救出したことを疑ってないわ。母様を助けてくれたことには感謝しているわ」

 孫策は先ほどより大人しい態度で孫権の言葉に対して憮然とした表情を浮かべ答えた。

「蓮華に戦場の何が分かるのよ。一度も人を斬ったことの無い蓮華に戦場なんて理解できないわ」

 孫策は不満気に孫権に言った。

「ええ、雪蓮姉様の言う通り私は戦場を知らないです。でも思春は違います。彼女は母様と死線を越えてきました。生き残った兵達も清河王に感謝していました。母様も死ぬところを救われたと言っていました」
「ああ! 分かったわよ。もう好きにすればいいじゃない!」

 孫策は孫権にたしなめられ苛立ちを隠さず孫権に怒鳴ると足を踏みならしながら入り口の幕を乱暴に開けて天幕を出ていった。

「雪蓮姉様」

 孫権は溜息をつき天幕の入り口を凝視した。

「蓮華様、雪蓮様をあのまま行かせてもよろしいのでしょうか?」

 孫策の荒れた様子を見て心配したように甘寧は孫権の側で囁いた。

「思春、雪蓮姉様についていってくれないかしら。迷惑をかけるわね」

 孫権は困った顔で思案した後、甘寧に孫策の側にいるように頼んだ。

「いいえ。それでは失礼します」

 甘寧は孫権に拱手し頭を下げると天幕を去って行った。


 朝日が昇ると朱里から襄陽城攻めに参陣している荊州豪族に向けて、孫堅が東門を破った報せが届けられた。同時に東門攻めで孫堅が深手を負い戦場に出れないことも伝えられた。
 朱里は荊州豪族に知らせた内容から意図的に深手を負った孫堅を正宗が救いだしたことを伝えなかったが、人の口に戸を立てるのは難しく。また、正宗が深夜に八千の兵を動かしたこともあり。あっという間に正宗が孫堅を救出したことは噂として広まった。
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