10.私はあなたが好きです
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敵旗艦を狙って放った私の砲撃が挟叉となった。次の一撃で敵旗艦を確実に葬ることが出来る。
「お姉様! お任せします!!」
榛名が私にそう告げた。私は落ち着き、再度標準を合わせ、砲撃体勢に入った。
「ファイヤァアアアアアア!!!!」
私が放った砲弾はまっすぐに敵旗艦に飛んでいき、その装甲を貫いた。同時に大きな爆発が起こり、敵旗艦を撃沈したことが確認出来た。
「霧島! 念の為敵艦の状況確認お願いネ!!」
「了解ですお姉様……大丈夫。轟沈したことを確認しました!!」
「おーけい! そのまましばらくの間観測を続けるネ!! 私はテートクに状況を報告シマース!!」
今回の敵は強敵だった。ただでさえ凶悪な性能で私達を追い込んでくるだけの実力を持っていた上、沈めても沈めてもその度に亡霊のように蘇り、再びこの海域に君臨した。はじめは私達姉妹は別々の艦隊を組み、波状攻撃の戦法で敵艦隊と戦っていたが…
「我が鎮守府の消耗も激しい。いい加減にケリをつけよう」
提督のこの一言により、私達四姉妹と正規空母の赤城・加賀の計6人で、現在考えうる限り昼戦においての最強の布陣を組んだ。これで敵旗艦の撃沈に失敗した場合、鎮守府は資源が枯渇し、機能を停止せざるを得なくなる。
今回が10数回目の対峙だった。相手はもう何度も蘇ってきていたがそれでもダメージは蓄積していたようで、今回は戦闘前からすでに外装がボロボロの状態だった。
「テートク、たった今敵旗艦を撃沈したヨ! 今回は手応えがあったネ!!」
『よくやった! さすがうちの昼戦最強メンツだな』
「念の為、このまましばらく敵旗艦の復活を確認した後、帰投シマース!!」
『了解した。帰投の際は気をつけて帰ってきてくれ。晩飯までには戻るように』
「了解したネ! 待っててネ〜テートク!!」
提督との無線が終了した途端、比叡が私に抱きついてきた。かなりの苦戦を強いられた敵だ。撃沈できたことがなによりうれしかったのだろう。比叡以外の皆も、表情は一律に晴れやかだ。
「お姉様〜! やりましたねお姉様〜!! さっすがお姉様です!!」
「そんなことないヨー!! みんながかんばってくれたおかげネー!!」
普段は仏頂面といってもいいほどの無愛想な表情をしている加賀でさえ、今はどこか晴れ晴れとした表情をしている。みな全身傷だらけだったが、心地よい疲労感を感じていた。
「金剛さん」
「赤城もお疲れさまデース! どうしましタカ?」
「うれしいのもそうですが、私たちの疲労ももうピークです。出来るだけ早く帰投しないと」
「そうネー…でも相手が復活しないのをある程度確認はしておきたいデース」
「そこで提案ですが、私も加賀さんも偵察機が若干残ってます。私の偵察機で敵艦の
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