暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十二話 新人事
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
軍務省 尚書室

 軍務省尚書室に三人の軍人がいた。軍務尚書エーレンベルク元帥、統帥本部長シュタインホフ元帥、宇宙艦隊司令長官ミュッケンベルガー元帥。帝国軍の軍政、軍令、実動部隊の頂点に立つ男達である。

「遅いではないか、二人とも」
「落ち着かれよ、シュタインホフ元帥」 
不機嫌なシュタインホフ元帥をエーレンベルク元帥が宥めると、エーレンベルク元帥の副官が待ち人の到来を伝えてきた。元帥は二人を部屋に入れると内密の話があるといって副官に人払いを命じた。

「トーマ・フォン・シュトックハウゼン大将です。出頭いたしました」
「ハンス・ディートリヒ・フォン・ゼークト大将であります」
「うむ、ご苦労である。此度来て貰ったのは他でもない。両名にイゼルローン方面の防衛を担ってもらうためだ」
「といいますと?」

「正式な発表は一週間後になるから口外してもらっては困るが、シュトックハウゼン大将には要塞司令官を、ゼークト大将には駐留艦隊司令官を担ってもらう」
「トーマ・フォン・シュトックハウゼン、必ずや御期待にこたえて見せます」
「ハンス・ディートリヒ・フォン・ゼークト、決して反乱軍に好きにはさせません」
「両名とも協力しあって反乱軍に対処してほしい」
「はっ」

軍務尚書と両大将のやり取りを聞いていたミュッケンベルガーはおもむろに切り出した。
「両名とも良く聞いて欲しい。今軍務尚書が言われた協力というのを忘れないで欲しいのだ。正直に言おう。先に行われたイゼルローン要塞の攻防では、要塞司令官と駐留艦隊司令官の不仲が味方殺しの悲劇を招いた」

「ミュッケンベルガー元帥!」
「司令長官!」
エーレンベルク、シュタインホフ両元帥が静止するのも構わずミュッケンベルガーは続けた。
「要塞司令官と駐留艦隊司令官の不仲が味方殺しの悲劇を招いたのだ!」
「あれは不可抗力というか止むを得ない処置だったと聞いていますが」

「そうではない。反乱軍による並行追撃作戦の可能性を指摘した士官がいたのだ。だが馬鹿どもがいがみ合うばかりに碌な検討もせず、結果としてあの悲劇が起きた。しかも虚偽の戦闘詳報を送って我等を欺こうとする有様だ、馬鹿どもが」

エーレンベルク、シュタインホフも、もう止めようとはしない。
「虚偽の戦闘詳報?司令長官閣下、それは何かの間違いなのでは……」
ありえないといった表情のシュトックハウゼンにミュッケンベルガーは苛立たしげに言葉を放った。

「間違いではない!イゼルローンに真相を確かめたのだ。クライスト、ヴァルテンベルクも認めている。これ以上あのような愚か者どもにはイゼルローンはまかせておけぬ。それ故、卿らがイゼルローンに赴くのだ」
ミュッケンベルガー元帥の侮蔑を隠そうともせぬ強い語気に、そして第五次イゼル
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ