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首輪
2部分:第二章
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第二章

「やがてはね」
「そうなるのかしら」
「まあそのうちわかることだと思うわ」
「そのうちなのね」
「そうよ、そのうちね」
 菖蒲の話は続く。
「そうなるかもね」
「私もあの首輪を」
 それを聞いて不思議な顔になる薫だった。彼女にとってはとても信じられないものだった。そしてその首輪のことをそれからも見るのだった。
 寮は三年、二年、一年が一人ずつ部屋の中に入る。そうしてそこで共同生活を行うのである。朝早く起き規律に従って規則正しい生活を行う。それは修道院の中の様に厳しい生活である。
 薫もその中にいる。そしてある日だった。ふと夜中に目を覚ますとだった。
 その三年と二年の先輩達がいないのだ。ベッドの中はもぬけの殻であった。
「おトイレかしら」
 最初はそう思った。しかし中々帰って来ない。だがこの時はただ長いだけだと思ってそのまま寝た。この時はそれで終わりだった。
 だが暫くしてまた夜に目覚めてみるとだった。またいないのである。その時もまたトイレだと思っただけだった。
 しかし三度目もだ。やはりいない。いい加減このことを奇怪に思いだした。
「何でいつも夜におられないんだろう」
 そう思ってである。また菖蒲と話すのだった。
「おかしいと思わない?これって」
「夜中にいつもおられないのね」
「そうなのよ、どうやらね」
 こう話すのである。
「どういうことなのかしら、これって」
「たまたまじゃないの?」
 菖蒲はそのことに特に不思議に思うことなく述べた、
「それって」
「たまたまかしら」
「夜中におトイレ近い人もいるじゃない」
「ええ」
「だからそれじゃないかしら」
 それではないかというのである。
「ただ単にね」
「そうなの」
「私はそう思うわ」
 これが菖蒲の考えだった。
「ただそれだけだってね」
「ううん、じゃあ気にすることはないかしら」
「そうよ。ところで」
「ところで?」
 菖蒲からの言葉だった。
「最近私達の間でもね」
「私達の間で?」
「一年の間でも首輪が拡がってるわよね」
 このことを言うのだった。
「首輪がね」
「ああ、そうよね」
 薫は菖蒲に言われてこのことにはっと気付いたのだった。
「そういえば最近」
「少しずつだけれど」
「どうしてなのかしら」
「さあ。ただね」
「ただ?」
「そういう娘って時々何かぼうって顔になるわよね」
 こうも言うのだった。
「恍惚っていう感じの」
「ええ。朝の礼拝の時もね」
 薫はまた菖蒲の言葉で気付いたのだった。
「そういう顔になってるわよね」
「先輩の方々もね」
 彼女達もだという。
「何かそういうお顔にね」
「なってるわよね」
「どうしてかしら」
 菖蒲はこのことの方が不思議で
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