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新オズの腹ペコタイガー
第四幕その十二

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「いいよ」
「そうなの」
「モジャボロさんと宮殿で留守番しようか」
「そうするのね」
「ラム酒を飲みながらね」
「船長さん本当にラム酒お好きですね」
 恵梨香はその船長さんに言いました。
「毎日少しずつ」
「そう、飲むのがね」
「美味しいんですね」
「だから君達が冒険に行っている間はそうしているよ」
「そうですか」
「本を読むのもいいしね」
「では船長」
 モジャボロが微笑んで船長ささんに声をかけました。
「暫く仲良く」
「うん、男二人で仲良く遊ぼう」
「本を読んだりもして」
「男やもめ同士そういうのもいい」
 宮殿で静かに時間を過ごすこともというのです。
「だからね」
「それじゃあね」
 こうしたことをお話してです、そのうえで。
 船長さんも残ることにしました、最後にふらりとです。
 エリカが来てです、こう言って来ました。
「面白いお話ね、何ならね」
「貴女もなのね」
「参加してあげるうわ」
 トロットに胸を張って応えるのでした。
「感謝することね」
「全く。貴女はね」
「何なの?」
「何でそう偉そうなのよ」
「それもいつもっていうのね」
「そうよ、だから色々言われるのね」
「安心して、言われても気にしないから」
 相変わらず胸を張って言うエリカでした。
「それはガラスの猫も一緒でしょ」
「ええ、自分が一番偉いて思っているわね」
「そうよ、だからこれでいいのよ」
「猫だから」
「そうよ、猫だからいいのよ」
「やれやれね、けれどね」
「私も冒険に参加するわ」
 エリカはこのことは間違いないと約束しました。
「それじゃあね」
「ええ、一緒にね」
 こうしてでした、それぞれ五人と五人、そして五匹が揃ってでした。 
 それぞれのパーティー三人ずつに分かれて冒険となりました。おじさん達はこの時は留守番だと思っていました。
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