第8話 ゼクト vs ミラジェーン
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ゼクトは、ずっとエルザとミラに2人に言い寄られている様だ。次第にエルザとミラの取り合いになっていき、それを傍から見たら、《男の子1人》を取り合っている《女の子2人》に、正直見えなくも無い。話をしている内容自体は物騒なのだが、構図は正にそれだ。
だから、それを周りに集まってる皆がからかう様に言って、益々収拾がつかなくなりそうだ。
そんな皆を後ろから笑ってみているのは、ギルダーツとマスターの2人だ。
「ったく……、随分とマセガキだよな? あいつらは」
そう言いつつも、ギルダーツは笑いが堪えられない、堪えるつもりも無い様に笑い続けていた。それは、勿論マスター、マカロフも同じだった。
「ははっ。確かにのぉ。……じゃが、随分と可愛い。……いつもの暴れん坊のあの2人から あんな表情見られるなんて、正直思ってなかったわい」
エルザとミラも、正直言うと元気が有り余っている。色気より食い気、とは この事である と体現をしているかの様だ。
「アイツは、……ゼクトには こう言った場所が必要なんだよな、って改めて思ったよ。仲間と一緒に過ごして、そんで 馬鹿騒ぎして、笑いあって。……ガキの頃は そう言う事をもっとするべきなんだよな。会った時から思ってたんだが、魔力もそうだけど、なんつーか基本的に妙に大人ぶってる雰囲気だったしよ? それに……、記憶に無い場所を想い続けるより……後に幾らでも作れる記憶に、残る思い出を作った方が、だよな」
そう言いながら、ギルダーツは ゼクトを見た。
まだ、ゼクトは2人に囲まれている。あわあわ、と慌てている様子だ。それを、その姿を見れば本当によく判ると言うものだ。
そう、ゼクトはまだまだ子供。……今の顔は間違いなく歳相応な顔だと言う事が。
ただ、やはり今であっても、持っている魔力そのものは全然歳相応ではないが。
「……そうじゃな。記憶の方は、ワシも頃合を見て色々と確認をしてみるとするわい」
「お? 頼むぜ、マスター。オレは そう言ったのはちょっとばかり苦手でな」
ギルダーツはお手上げだ、と言わんばかりだった。
「んなもん、わかっとるわい」
マカロフはそう言って更に笑い。
「即答されんのも複雑…だけどな。」
ギルダーツは、ちょっと苦笑いもしていたのだった。
そして、ゼクト達はと言うと結局。
「さっ! 戦ろうっ!」
凄く良い笑顔の女の子、ミラの相手をすると言う事になっていた。勿論、最初はゼクト自身の了承などおかまいなしだった。
ただ、ミラのそのはち切れんばかりの笑顔の向こう側には、これまた凄く対照的な顔の女の子、エルザがいて、悔し
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