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雲は遠くて
101章 正月の信也と心菜と由紀の楽しいひととき
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おめでとう!二人の美女と、お正月とは、
おれもツイているなあ。あっははは。でも、その信也さんはやめてくださいよ。
しんちゃんで言いってば、おれを呼ぶときは。あっはは」

「あっ、そうでしたわよね。つい、緊張しちゃって、しんちゃんなんて、
呼べねくなっちゃって。ごめんなさい!しんちゃん!」

 心菜は、ちょっと困った顔をして、微笑んだ。

「はい。心菜ちゃん、これが、いままでに、おれの親が記録しておいた、
大村智(さとし)先生の、テレビで放映した全部の動画が入っているDVDです」

 信也は、そう言いながら、心菜の前に、ケースに収まっ2枚のDVDを差し出す。

「あ、うれしい。しんちゃん、本当に、ありがとうございます!」

 この正月に、信也と心菜と由紀が、会うことになったのは、
去年の12月19日の、『下北芸術学校・音楽祭り』で、この三人で歓談していたら、
大村智の話で盛り上がったことが、きっかけであった。

 2015年の12月10日に、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智は、
山梨県韮崎市(にらさきし)の出身であり、同じ韮崎市の生まれの川口信也や両親も、
大村智のその研究や仕事の成果や人柄などに、深い感動を覚えている。

大村智が発見した、微生物から作られた特効薬イベルメクチンは、
1988年からアフリカで配布が始まり、
寄生虫による、盲目になるなどの感染症から、現在も年間3億人を救っている。

 また、そのイベルメクチンは、犬の死亡の原因であるフィラリア症から、
犬たちを救い続けている。

 フィラリア症は、蚊の吸血を媒介として、体内に入り込む寄生虫のフィラリアによって、
引き起こされる症状で、寄生虫が心臓に住み着く病気である。
現在では、犬の寿命が10年延()びたといわれていて、愛犬家たちも感謝の声を上げている。

 若くて、かわいい年頃ごろの青木心菜も、家の中でポメラニアンを飼う愛犬家で、
「大村智先生に感謝してますし、先生のお仕事やお人柄には深く感動もしてるんです!
大村先生のことをもっと知りたいんです!
大村先生は、美術に造詣が深くって、絵がとてもお好きで、
美術館もご自宅の近くに建ていますよね。
いつか、韮崎に行って、その美術館で、大村先生の好きだという、
コレクションの絵も鑑賞してみたいです!しんちゃん」と言うのであった。

 そのとき、信也は、「大村先生は、科学も芸術も、創造的な仕事をするためには、
人のマネから入って、それを超えていくことが大事とか言ってますよね。
おれも、同感しますね。まさか、韮崎から、世界に誇れる、偉大な人が現れるなんて、
おれも、すごっく、うれしいですよ。あっははは。
でも、いまや人気漫画家で売れっ子の心菜ちゃんも、
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