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渦巻く滄海 紅き空 【上】
九十七 里抜け
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机上の書類に手を伸ばした。
報告書の文面を前に、彼女は静かに項垂れる。

其処には、綱手にとっても予期せぬ展開が書き連ねてあった。










○×年◇月
五代目火影――綱手立つ
初代火影・千住柱間の孫及び三忍の一人なり
同月末
火の国・木ノ葉隠れの里 抜ける者あり
五代目火影 この者に追い忍差し向けん
追い忍 大蛇丸の部下と交戦し、これを討つが
里を抜けし者 大蛇丸の許に降る
火影 この者を抜け忍とし
大蛇丸同様 里を追われる身とせん
その忍びの者の名を 以下に記す

うちはサスケ そして――――
















――――――春野サクラ


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