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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
真相
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心理攻撃によってレオンはいつにもまして造形の形が崩れている。あれじゃあ仮にぶつけることが出来ても、それほどダメージを受けることはないだろう。ただレオンはMPF(マジックパワーファインダー)でかなり高い数値を記録していたから、問題ないと言われればそうなんだろうけど・・・

「どうした?“氷の神”と呼ばれた男も、その魔法が使えなければただの魔導士と一緒・・・いや、それ以下か」

なおもグラシアンさんはレオンを挑発し続ける。しかしレオンはそれに対してはまったく動じることなく、背中についた土を払いながら立ち上がる。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

呼吸が荒くなっているレオン。相当魔力を消耗しているのかと思ったら、俺が感じる彼の魔力は初めの時とほとんど変わっていない。呼吸が乱れている理由は恐らく体力の方だと思われる。
彼は何らかの理由でこの大魔闘演舞最終日を寝不足の状態で出場している様子。なんで寝不足なのかはよくわからないが、睡眠は体力を回復するのに必要なもの。それをやれていなかったとなると、今日の競技初めの時からほとんど体力が残っていなかったと推測される。
さらには無駄に広いこのバトルフィールド。敵と遭遇するためにはこの大きな街の中を歩くなり走るなり移動していなければならない。普通の状態でも疲労が溜まってしまうのに、開始前から寝不足で体調が万全でないレオンには不利すぎる気がする。

「息が上がっているな、レオン・バスティア」
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

額の汗を拭いながら目の前の敵を睨むレオン。グラシアンさんはその様子を見て勝利をほぼ手中に納めたと考えているのか、笑顔が絶えない。

「才能溢れる“氷の神”もイップスには敵わないようだな」

イップス・・・一般的にスポーツとかで用いられる言葉らしいけど、失敗体験や恐怖体験からその行動を起こそうとすると無意識に体が強ばり、その動作ができなくなってしまうことらしい。
レオンはラウルの親を何かの理由で殺めてしまったために難しい依頼を成功させ続けてきた滅神魔法が使えなくなってしまった。それはまさしくイップスということで間違いないだろう。

「―――・・・か」

レオンは痛む脇腹を押さえながら、グラシアンさんの言葉を聞いて何かを思い出しているようだ。

「何か勘違いしてるみたいなんだよなぁ・・・」
「は?」

レオンの言葉にグラシアンさんが意味がわからないといった顔をする。俺とソフィアも同じように、彼が何を言いたいのかわからずにいる。

「イップスに陥ってないとでも言いたいのか?」
「いや・・・それは否定できないよ。俺は滅神魔法(あの魔法)を使おうとすると無意識に体にブレーキがかかってしまう」

じゃあ一体何が違うのか?俺たちがわからずにい
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