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大海原でつかまえて
06.重い切り札
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 今回の姉ちゃん救出メンバーは、金剛さん、加賀さん、球磨さん、木曾さん、ゴーヤこと伊58さん、以上の5人だ。5人プラス僕と岸田、そして提督で、今執務室でブリーフィングを行っている。

「提督、この人員配置の根拠を教えて下さい」

 冷静な顔付きをした和風美人な空母の艦娘である加賀さんが、表情を変えずに軽く右手を挙手して言う。

「不服か?」
「不服ではありませんが、根拠が今一分かりません」
「手練の潜水艦隊が確認されている」
「確かに球磨と木曾は手練ですが、対潜水艦戦なら夕張や大淀が適任かと。空母も私ではなく隼鷹や瑞鳳の方を編成すべきでは?」

 少し前に岸田から、『うちの対潜番長は夕張だ。次点で大淀たん。キリッ』というセリフを聞いたことがある。確かに加賀さんの言っていることは筋が通るわけだが……

「今回は対潜水艦戦以外にも、複数回の戦闘が予想される。出来るだけこちらの損傷を抑える形で戦闘をこなしたい」
「つまりゴーヤと木曾、私の3人で砲撃戦前に出来るだけ頭数を減らす算段ですか」
「加えて、敵に駆逐と軽巡がいた場合はゴーヤに攻撃を集中させ、出来るだけお前たちが攻撃される頻度を減らす作戦だ」

 マジか……こんな小さな子に、敵の攻撃を集中させるってのか……?! ぼくの隣に立っているゴーヤさんと、自然と目が合う。彼女の服装がスクール水着の上からセーラー服という、とんでもなく非常識な出で立ちなことに今気付いた。

「ゴーヤさん。あんなこと言われてるけど大丈夫なの?」
「心配いらないよ。いつもやってることだから大丈夫でち」

 ヤバい。こんなちっちゃくてでちでち言ってるような子なのに、大ベテランのような安心感が半端ない。

「常日頃オリョールで鍛えてるから問題ないでち。あ、あとゴーヤのことはゴーヤでいいよ? ゴーヤもシュウって呼ぶから」
「わかった。ありがと」

 あとは、いかにも『水兵さん』て感じのセーラー服を来た球磨さんと、その球磨さんと同じセーラー服の上から軍服を羽織って、眼帯をつけている木曾さん。木曾さんは出で立ちがどことなく天龍さんと似ているが……天龍さんと違って威圧感のようなものを感じる。常にサーベルに手をかけ、鋭い目が周囲に無言のプレッシャーをかけているように見える。失礼かもしれないが、あれは仕事として人を殺したことがあるオーラだ。

「提督、俺も質問していいか?」
「ああ」
「通常、艦隊は6人編成だ。一人少ない5人で組む理由は何だ?」
「現地の比叡が参戦すれば、編成は6人だ。そこまで考えての人員だ」
「なるほどそういうことか。納得した」

 一方、その木曾さんの隣に立っているのが球磨さんだが、この面子の中でも一際戦闘行為から遠そうな人に見えるのは気のせいだろうか……マイペースの人
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