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寄生捕喰者とツインテール
申し出の理由
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審気味だ。

 コレにもまた、中身が関係している。


相棒(バディ)、受けちまエヨ』
「……でも……」
『どの道、再生するまでずっと “このまま” 、元には戻れやしネェ。不用意な問題起こすよリャ、なんぼかマシだと思ウゼ?』
「……」


 暫しの間、第三者からでも表情の変化が分かるぐらい変え、充分に潜考した後―――――グラトニーは答えを出す。


「……分かった、よろしく」

「ええ。自分の家だと思って、気を置かずゆっくりしてね」
「……まあ、いきなり襲われるよりはいいと思うけどさ……」
「それにしても不思議ですわね。昨日まで所在も知らなかった人物が、すぐ近くに住まうだなんて……」
「あら、世の中そんなものよ?」

『あんた何経験してきてンダ……?』


 これで、グラトニーの件は片付いた。

 ……が、黙って居られないのが愛香とトゥアールの二人組みだ。


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ未春おばさん! こんな子を住まわせたら何が起こるか―――」
「食べる事以外に執着しない子よ? それにツインテール属性が実質無いなら、愛香ちゃんにもチャンスはあるわよ」
「う……」


 確かにグラトニーならばトゥアールの様に露骨に色香を振り撒いたり、慧理那のような行き成り現れた虎の子でもないのだし、更に協力を取り付けてもらう側が “向こう” な為に、怪我も合わさって警戒する必要は無に等しい。

 納得いかずとも反論が思いつかないのか、愛香は言葉に詰まってしまう。
 一方のトゥアールも同じ思いだったのか、一言も発さず黙りこんでいた。


「低めと言えどライバルとなる可能性もありますが……まあ仕方ありません。納得しましょう」
「幼女が増えるから?」
「勿論! というか何を言ってくれてるんですか!? それ以外、他にどんな理由があるっていうんですか!!」
「戦力増強とかあるでしょうが!」


 結局最初と似たような状況になり、双方ともグラトニーそっちのけで言い合いを始めた。


「ふふふ……思わぬ伏兵、というのも乙なものよね……覚醒した時が楽しみだわ……フフフフ……」

(何考えてるかは分からないけど、良からぬ事企んでるのだけは分かるぞ、母さん……)


 此方も此方でやはり親切心以外の裏があり、悪の幹部よろしく異様に口角の上がった笑みをつくる未春。
 それを確り目視してしまい、総二の口から自然と深いため息がこぼれる。


 こうして…………観束家に新たな仲間が一人、増える羽目になったのであった。



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