Chapter03
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
最初は 何を言っているのか 理解できなかった
Dメールをおくったのが16日。1日ずれているという訳ではない。
8月17日
それが俺がどれだけ求めていた物なのか
そして、どれだけもがいても辿り着けなかった場所。
助けようとしてもどれだけ手数を打とうとも
まゆりを死なせてしまった日にち
それから、世界線の収束から、抜け出せたというのか…?
「ほ、ほんとうに17日なんだなっ??間違いないよな??」
たまらずもう一度確認をしてしまう。
まゆりはこうして生きている。
「本当にオカリン大丈夫〜?17日で間違いないよ〜」
いつもと同じように口をωみたいにして微笑んでいる
回避できた。よかった。本当によかった。
どっとへたれこむように座り込んだ。
これで紅莉栖が誰かに刺されることもなく。まむりが死んでしまうこともない。
もう、何も望まない。仮にこの世界線で俺が死ぬとしてもかまわない。
そんなことを考えていると紅莉栖がすっとソファから立ち上がった。
「だから何間抜けな顔してんのよ、これから買い出しでしょ?
さっさと行くわよ」
「買い出し?一体何のーー」
言い終わる前に腕を引っ張られ、半ば引きずられるようにラボから出ることになった。
階段を降りた先のベンチに腰掛け、紅莉栖がおもむろに口を開く
「Dメールを使ったの?」
+ + +
ラボから外へ出るとジリジリと刺すような日差しに見舞われる
中の蒸すような暑さはないがそれでも全身から汗がどっと出てくる
だが、汗の原因は暑さではない。
「な、なぜだ?」
汗が額から顎につたいアスファルトへと落ちる
続く汗を拭いつつそうとしか答えられなかった
「なんとなく、さっきのあんたはとてもじゃないけど
30代にすら見えない顔だったから」
「いや、大丈夫だ。なんともない。
それより、買い出しというのは?」
「ほら、覚えていない。岡部は変わる前の記憶を持っているかわりに
変わった過去を覚えていない」
そう言って真っ直ぐに瞳を向けてくる。
好奇心…というより、心配してるような目。
少しの沈黙。紅莉栖は目を閉じ、俺から顔を逸らした
「それとも、長い事情聴取でおかしくなっただけなのかな」
「事情聴取だと?なんだ?俺は何をしたんだ?」
「岡部だけじゃない。私たちもよ」
なんだ。思考が追いつかない。
まさかタイムリープの制作がばれたのか?
「私たち
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ