第一話 王子誕生
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バンザーイ! バンザーイ!』
『ワアァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・』
首は回らないがおそらく窓の方向、やたらと歓声が聴こえる。
他にも室内にいた貴族っぽい服の男たちが数名と医師一人と助産婦一人、メイドが数名、それらが万歳三唱しているのだ。
逆に恐縮してしまうのは前世が日本人だからだろうか?
それと母さん! 父さんが登場するまですごくいい感じでいかにも『良妻賢母』って感じだったのに父さん登場と同時の『母』から『女』への変貌はすっごい幻滅した!
王太子の誕生とはいえこんなに派手なものなんだろうか?
なんかこう・・・・・・この国大丈夫か?
先ほどの馬鹿騒ぎは終わり王城内は静寂に包まれ当番の衛兵ぐらいしか人影はない。
いや、確認してないけどさ。
王太子誕生で急遽祝日にしたって父ちゃんが言ってた。
母さんはクィーンサイズか分からないがかなり大きい天幕ベッドに横になっている、ちなみに『女』から『母』の顔に戻っていた。
父さんは豪華なイスに座り、ニコニコしながらオレを抱いている。
二人とも普通だ、ひょっとしていままでのは演技だったのだろうか?
ちなみに室内には父さんと母さんそしてオレの三人しかいない、家族団らんを楽しみたいそうで他の人たちは部屋の外に下がらせたようだ。
何か異常があればすぐにでも飛び込んでくるそうだが、首のすわってない赤ん坊がいるのに大丈夫だろうか?
それはそうと、オレの名前が決定した。
『マクシミリアン・ド・トリステイン』
だ、そうだ。
愛称はマックス、マクシィ、ってところか。
『トリステイン』が姓で、先に『ド』の称号が付くならトリステインって国はフランス圏の王国なんだろうか?
ま、今考えても仕方が無い、後で調べるとしよう。
「そういえば・・・・・・ヴァリエール公爵夫人も近々二人目を出産するそうだ」
「そう、カリーヌ様が・・・・・・月日の経つのははやいものね」
母さんが複雑そうな、何かを懐かしむような顔をしていたがオレには意味が分からなかった、友達だったんだろうか?
「男子ならばよき友人になってくれるだろうし、女子ならば婚約を申し込んでみようか、ハハハ」
「まぁ、陛下いささか気が早いのではないですか?」
「そうかな? ハハハハハハ」
「うふふ」
なんか勝手に人生設計を決められてるような会話が聞こえるが、オレは今、とてつもなく眠い・・・・・・・
うん、もうだめだ・・・・・・おやすみ。
『おやすみ、私たちの天使』
なにか聞こえたような気がするが・・・・・・・よい響きだったね・・・・・・うん、こんどこそおやすみ
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