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SAO−銀ノ月−
第九十三話
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 ルクスとリーファ、そしてユウキとのデュエルは曖昧なまま決着がつき。お互いに軽く自己紹介をしていると、そろそろこの水着コンテストも終了時刻を迎えてきていた。まさしくバラエティー番組のような、終了時刻までポイント三倍――という逆転のチャンスが始まったその時、ルクスはある少女を連れてきていた。

「おねぇちゃんがいないの……」

 そう言って泣きついてくる少女の頭上には、クエストを受託するか否か、というシステムからのメッセージが出されていた。察するに、この広い海岸ではぐれてしまった姉を探す、という単純なクエストであるだろうが。

「この子、NPCなんだね。……でも、私たちにはそんな暇は……」

 自分から少女を連れてきた身としては心苦しいものの、ルクスとしてはそんなクエストをやっている暇はなく。自分のせいで彼女らの防具が壊れているというのに、ここで直すためのお金が調達出来ないとなれば、リズたちに顔向け出来ない。仕方なしに受託するか否かのメッセージに、ルクスは震える指で『NO』を押そうとすると……

「オッケー! ボクたちが探してあげる!」

 先にユウキの肯定する発言に反応し、クエストが受注される。ボタンを押すより言葉で発した方が速いのはもちろんのことで、NPCの少女は泣き止んでユウキへと笑いかける。

「ありがとう!」

「うん、任せといてよ! 頑張ろ、ルクス!」

「……え?」

 少女の腰を掴んで「高い高い」とやるユウキに話題を振られて、クエストを受注したことも含めてルクスは混乱する。今更クエストで、寄り道をしている暇はないはずなのに、と。

「ルクスさん、実は……」

 そんなルクスに、シリカが先程考えていたことを話す。明らかに自分たち――特にデュエルをした三人は――見られているにもかかわらず、どうしてもポイントが伸びない。ならばポイントが加算される手段が、他にクエストか何かがあるのではないか――という。

「そんな話をしてる時に、ルクスがこの子を連れてきてくれたんだ。お手柄だね!」

「ちょ……ちょっと待ってくれ」

 理屈と理由は分かったが、盛り上がるユウキに対してルクスは待ったをかける。今の仮説も自分が受注してきたこのクエストも、ポイントが加算されるとは限らない、ただの根拠のない憶測ではないかと。

「もう時間もないのに、そんなのに時間を取らされる訳には――」

「――話は聞かせてもらったわ!」

 彼女なりに精一杯、もう時間が足りないこと、クエストをしている暇がないことをルクスが主張していると、もったいぶった声が海岸に響く。根拠のない何かに溢れた自信たっぷりの声が、太陽がさす方角から放たれた。

「リズ……」

 ノリとともにリーファにセクハ――スキンシップをして
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