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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。
図書館での約束
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 閑静な住宅街にある宿、と聞いていたが本当にその通りだった。
 一階建ての平屋が続くその場所。
 そこかしこでカーテン越しに漏れている光は人の温もりにあふれている、そんな場所にその宿があった。

 掲げられた木製の看板には、“ミスティーの宿”と記載されている。
 白い壁と木組み出できた三階建ての家。
 ここ周辺では隣りにある図書館と肩を並べる大きい家だ。

 そんな宿にやってくるとリリアがその宿の女将さんに、

「あら、また来たのかい、リリアちゃん!」
「うん、今日は友だちも一緒よ!」
「わーお、こんなに沢山!」
「だからちょっとだけ宿大おまけしてよぅ」
「うーん、それは無理だねぇ。代わりに今日クッキーを焼いて余ったから、これをあげるわね」
「わーい」

 と言った会話がされていた。
 この宿は先払いであるらしく、2日分の宿賃をとりあえずは支払う。
 それから部屋に案内されるが、

「友達同士だから大部屋でいいわね?」
「はーい」

 というリリアの一声で大部屋に決まってしまう。
 そうして僕達は部屋に荷物を運びこんでおいて、

「さて、図書館に行きましょ」

 リリアがそう答えるもそこで、

「せっかくだからリリアちゃん達にサービスのお茶だよ」

 と宿の女将さんが紅茶を持ってきてくれたので、僕達はお礼を言ってお茶とお菓子を楽しんでしまったのだった。






 閉館一時間前に僕たちは図書館に飛び込んだ。
 手分けして探そうということで僕たちは散らばったのだけれど、

「異世界人の旅行記、なんてのもあるのか。あ、フィクションだった。でも元ネタはあるみたい?」
「ちょっと、何を探しているのよ」
「あ、エイダ、もう一冊見つけたんだ」
「そうよ。異世界人……異世界人ね」

 そこでエイダは胡散臭そうに僕を舐め回すように見て、

「どこからどう見ても異世界人には見えないわね」
「異世界人です。そもそも魔法は僕の世界にありませんし」

 実は当たり前の話を言ったつもりだった。僕は。
 けれどエイダはきょとんとした顔で見て、

「何の冗談よ、魔法がないなんて。ありえないわ」
「でも現実にそんなものはありませんし……」
「貴方の世界ってどれだけ原始的な生活をしているの!?」
「いやいやいや“科学”が発達していますから」

 突然石器時代にされてしまったような錯覚を覚えた僕はそう言い返した。
 そこでエイダは目を瞬かせて、

「かがく? 何それ」
「魔法がなくても使える不思議な技術です」
「ふーん。面白そうね。後で説明して」
「それはいいですが、ちょっと横に寄ってもらえますか? 欲しい本があるんです」

 僕はそう気楽に異世界について
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