暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの再開を 01
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が並べられている。 正直な話しをすると、ここ以上に品揃えが豊富で安価な店はいくつもある。 でも、僕はここの店主であるエギルさんとは長い付き合いだし、何よりこのごちゃごちゃとした雰囲気が好きなので、大体の買い物はここを利用している。

 店主の名前はエギル。
 SAO最初期から攻略に参加している古強者の両手斧戦士で、更に同時に商人系のスキルを持つ変人プレイヤー。
 日本人的なそれではない色黒の肌。 190cmほどもあるだろう大柄な彼の両腕は筋肉が隆起していて、胸板も岩のように厚い。 厳つい顔にスキンヘッドなんて言う恐ろしい外見だけど、それでいて話すととても良い人で、攻略組から追放されていた僕に変わらず接していてくれた数少ない友人だ。

 「で、なんで木工職人なんだ?」
 「んー、ベッドの耐久値が怪しくてね。 今より頑丈なやつが欲しいんだよ」
 「ベッドが? おいおい、フォラス、あんまり激しいと嫁さんに嫌われるぞ」
 「それセクハラだから」

 ニヤニヤと笑うエギルさんに軽く手を振って、今度は僕がため息を吐く。
 と言うか、言うまでもなく僕とアマリは未成年なので、そんなことになることはない。 一緒に寝ていると言ってもそれは寝ているだけで、基本的に色めかしいことは皆無だ。

 「エギルさんはアマリの武器、覚えてる?」
 「ああ、でぃーちゃんだったか?」
 「そうそう、でぃーちゃん。 で、ほら、でぃーちゃんって重いでしょ?」
 「そうだな。 ありゃあ、俺でも振れないぜ」
 「僕は持てないよ。 まあ、それは置いといて。 アマリはさ、たまにでぃーちゃんを抱き枕にするんだよ」
 「おめえを抱かないでか?」
 「だからセクハラだってば……」

 今度は深々とため息を吐くけど、エギルさんはまるで気にした風もなくニヤニヤ笑いも続行中だ。

 「おめえとアマリは結婚してるんだろ? だったらそう言う話しにならねえのか?」
 「なりません。 まったくもう……」
 「そうむくれんなよ。 てことはあれか? でぃーちゃんが重すぎてベッドが耐えられねえってことだな?」
 「そう言うこと。 今のベッドも頑丈だけど、それでも耐久値がごっそり減ってさ。 壊れる前に新調しようかなって。 腕の良い木工職人さんに依頼しておいてもらえないかな?」
 「任せろ。 っと、いらっしゃい!」

 僕との商談が終わったタイミングで丁度お客さんが入ってきた。
 商人らしい威勢の良いエギルさんの挨拶は、僕を通り越して新しいお客さんに向いている。 このままカウンターの前に居座っても商売の邪魔になるので、エギルさんには目で挨拶してカウンターから離れる。

 「あ、ども」

 カウンターから退いた僕に頭を下げたお客さんは、そのまま取引に入りたいのか、エギル
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