暁 〜小説投稿サイト〜
攻撃手 狙撃手 エンジニアのトリップ集団!!
トリップ一年目
第三章 玉狛第一の狙撃手
第二話 ぼくの落とし物
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〜???side〜
ぼくは警戒区域に足を踏み入れた。
もし近界民が出たら死んじゃうな、と思いながら。
でも気づいたらここに来ていた。
そしてボーダー本部を眺めていた。

あのデカイ建物がボーダー本部・・・

別に珍しくもない。日常的なものだから。
戦闘の音には慣れきったし。
慣れない音は人の心音や会話ぐらいかな。

ぼくはうるさい音に耳を塞いだ。
まずいことに門が近くに開いたらしい。
逃げなきゃ・・・
そう頭を働かせた時、すでに近界民は斬られていた。

刀を片手に、ジャージ姿で寝癖だらけの髪。
目付きの悪い目で睨まれた気がした。

「なにしてんの?ここ、警戒区域だけど」

さて、どう答えよう。
ボーダー本部を見に来ただけと言うのは恥ずかしい。

「落とし物を探しに来た。」

なんと苦し紛れな・・・
明らかに有り得ないことを言うぼくを、相手は叱ることもなく・・・
「探してやるか・・・」と言われた。
普通、怒りそうなものだが。

「あんた、名前は?」

「・・・なんで名乗らなきゃいけないの?自分から名乗れば?」

「なんで女子から名乗らせるの?
この刀で斬られたいのかい?」

「ボーダーが脅迫した。マスコミにばらす」

「その前に証拠を消す」

そう言う寝癖ボーダーの顔は、よくある漫画の敵キャラみたいだった。
斬る気充分らしい。
本当にボーダーが脅迫してる。

「菊地原士郎・・・
で、そっちは?」

「ふーん。で、落とし物はどんなやつ?
彼女からのプレゼントと?
まさかの彼氏から?まあいいけど」

無視か。
とんだボーダー隊員もいたものだな。

寝癖ボーダーはぼくに背を向けて歩き始めた。
途中、瓦礫を持ち上げてみたり・・・
他人のアルバムを見つけてみたり・・・

「あ〜ピアス見っけ。
って、ピアスなわけないか。
学校にピアスしたら規則違反だもんね。
この犬のぬいぐるみは?」

なんだか騙すのが申し訳なくなる。
いや、この人は気づいているはずだ。
ぼくが落とし物なんてしてないって。

「違うよ。
というか、落とし物なんて嘘だし。
気づいているんでしょ?」

「・・・・・・」

冷たい目で睨まれた。
怒られることには慣れている。大丈夫。
耳がいいと色々聞こえるから、口が悪くなった。
周りの悪口ばかり・・・
そんな自虐的な思い出に浸っていると・・・
「はぁ。
で、落とし物は見つかったの?」と言われた。
いや、落とし物はないって言ったんだけど。

「はぁ。ちゃんと言わなきゃダメ?
ボーダーに入るか入らないか決めたの!?」

この人、なんでぼくが来た理由知ってるの?
ストーカー、盗聴、盗撮・・・

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