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英雄は誰がために立つ
Life24 転生天使!転生麻婆!?後編 〜因縁対面!?切嗣と綺礼〜
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オスに殺気を込めながら笑う男。
 しかし矢張りケイオスは、何時も通りに返す。

 「そんなに視界に入れたくないなら、今度こそちゃんと死ねばいい。そこまで封印は施していないのでな。死ねば立派な英霊の仲間入りだ」
 「貴様・・・!」

 ケイオスの言葉に本気の殺気をぶつける男。
 ケイオスの封印が施されていなければ、この都市部は一瞬にして男とケイオスの2人だけを残して塵に還っていただろう。
 つまりそれだけの存在でもある。
 しかもそれが相手に殺気をぶつけただけの二次被害でしかないのだから、驚天動地極まるだろう。

 「意外と気の短い奴だ。いや、(いにしえ)の王は基本的にこんなモノか」
 「私を有象無象と一緒にまとめるなっ!・・・・・・精々今は図に乗っていろ。この封印が取れた時、貴様が私を仕留めなかった侮辱!貴様が私を見下ろした不敬!貴様が私に力を敢えて増やした屈辱!それらを圧縮して盛大に贈り物として届けてやろうではないか!」
 「そんな未来があると言いな。白龍皇と同じく、期待しないで待つとしよう。――――少々話し込んでしまって、すまんな」
 「いえ、陛下と大切な会談でしたので、その場に居合わせただけでも身に余る光栄です」

 男の殺意を何時もの様に流し聞き終えたケイオスは、本来の話に戻った。

 「・・・・・・駒王学園の新学期に合わせて編入できるように手配済みだ。いつでも発つがいい――――」

 ケイオスは少女の名前を口にする。

 「――――夕嵐紗耶香」

 自分の家族を、無残に殺した悪魔たちを滅ぼそうと胸に誓った少女だった。
 昔は駒王町に住んでいた少女だった。
 そして今ではソーナ・シトリー眷属の転生悪魔、匙元士郎にとって幼い日に離れ離れになった初恋相手だった。
 少年たちの思いをよそに、世界がまたもや確実に加速していく。
 今はまだ何も知らない少年たちに、このうねりを止める術はなかった。
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