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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第8章 第5次イゼルローン要塞攻略戦 前編
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ず自分の目を疑った。
通常宙陸両用作戦部隊に所属する連隊には護衛宇宙戦力がつくのがふつうであるが臨時編成替えでローゼンリッター連隊の護衛宇宙戦力である第442強襲揚陸隊の護衛駆逐艦および巡航艦は5隻を残してすべてイゼルローン要塞攻略にかたむけられていたのであった。
アラン少佐は
「やはりな。
これは敵の罠だ。このままだと第442特殊強襲白兵戦連隊は全滅するぞ。
敵はやすやすと衛星を奪取させて奪取させて警戒が緩んだすきに衛星をひそかに再奪取してここからわが艦隊の側面を突くつもりだ。」
と言って少佐はイゼルローン要塞周辺航路図をだして指差した。
ローゼンリッター連隊が攻撃中の衛星から攻略部隊まで時間的距離で行けば2時間弱。
戦闘が長引けば長引くほど側面より全面のことに集中力が奪われ側面がおろそかになる。しかも、妨害電波を流せば救援要請なんて断ち切るのは楽勝だ。
敵は周辺基地から発進した艦艇を持ってこの衛星を奪取し時間的距離からも補給および偵察が可能なここから出撃、攻撃を繰り返す。
という作戦をとることを少佐は見抜いたのであった。
少佐は隣にいた作戦参謀の大尉に命じて
「よし、総司令部に緊急連絡。
至急第23宙陸両用群に1個戦艦群程度の増援の必要あり。
と。
急げ!」
私たちの会話を聞いていた大尉はすぐにメモを取ってシトレ大将のもとに走った。
それから30分後シトレ大将は予備宇宙戦力から2個巡航群を出して援護に向かわせるとした。
しかし、戦艦群を出さなかったのはきつかったが衛星軌道上の援護と敵駐留艦隊の撃滅後の撤収作戦援護には十分な戦力だった。
ローゼンリッター連隊は正確な観測砲撃により敵を確実に仕留めていた。
ほかの連隊もそろそろ砲撃を開始すると報告してきた。
ほかの作戦参謀たちは「地上作戦は順調だな」などと楽観的な表情を浮かべるが陸戦作戦班の若い参謀たちの顔には不安と緊張がみなぎっていた。
援護に向かった2個巡航群が間に合わなかったらどうする? もしかしたら敵の別の陽動に引っかかったのではないか?などを話し合っていた。
しかし、若い参謀たちはびくびくしていていたがベテラン参謀特にアラン少佐は平然としていた。
私も彼を見習って平然としているふりをした。
やはり、士官は平然としていなくてはいけない。
そう思ったが自分の連隊が自分が早く見抜けなかったことで全滅するのではないかと思うと発狂しそうになった。
すると、アラン少佐が近づいてきて
「まあ、落ち着けよ。
大尉が敵の罠だと申告しなかったらもしかしたら俺も気づかなかったかもしれん。
そんな、びくびくしてても始まらん。
ほら、飲めよ。」
と言って紅茶が差し出された。
「あ、ありがとうございます。」
飲むと、ブランデーが入っていた。
「ブランデーは飲
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