暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
龍皇の遺産
戦慄の記憶 01
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それはこれから考えればいい話しである。

 とは言え、問題はディオ・モルティーギに関することだけじゃない。
 ドラゴニュート鉱石の噂が広まれば、それを求めてクエストに挑むプレイヤーが激増するだろう、と言う現実的な問題がある。
 《龍皇の遺産》は結婚しているプレイヤー限定のクエストだ。 それを受けるためだけに結婚するプレイヤーは増えるだろうし、そうなればそれに比例してトラブルも増えるだろう。
 けど、僕が懸念している問題はそれでもなくて、もっと単純に、無茶な挑戦で死者が増えるかもしれないことだ。

 SAOがデスゲームである以上、死の危険に飛び込まないのが普通だけど、多くのプレイヤーがそれを無視してでもクエストに挑戦しかねない。 それだけの価値……言ってしまえば魔力がドラゴニュート鉱石にはある。

 僕と同じ懸念を抱いたらしく、アルゴさんも苦い顔で黙っていた。

 「情報規制が必要だろうね。 少なくとも、中層ゾーンのプレイヤーには知られないことが大前提。 じゃないと、死人が出るよ」
 「そうだナ」
 「と言うわけで、僕が口止め料を払うよ。 とりあえずは1万コルでいいかな?」

 言って、僕はアルゴさんの返事を待たずにトレードウインドウを開いて金額を入力する。 これはアルゴさんの主義を考慮しての提案だ。

 デマとゴシップは売らない。 それ以外なら売れるネタはなんでも売ると言うのがアルゴさんの主義だ。
 なんでも、と言う表現に含まれる内に例外はいくつかあるけど、今回の情報に関して言えば例外には含まれない。 あくまで正当なクエストの正当な報酬に関する情報だからだ。
 たとえ死者が出かねないと言っても、アルゴさんはその主義を貫くために問われれば答えなければならない。 デマを売らないと言う主義があるので嘘の情報を流すわけにもいかないし、情報屋の信頼を保つためにも理由もなく秘匿することはできないだろう。

 そこを踏まえての僕からの提案だ。
 僕が口止め料を支払えば、アルゴさんは主義を曲げることなく情報を明かさずに済む。 そして、口止め料を受け取ったことを理由にすれば情報屋としての信頼は僅かたりとも傷付きはしない。
 アルゴさんの情報には普段からお世話になっているので、この辺りでその恩を返すのも悪くないだろう。 それに、僕の身内がアルゴさんの主義を何度か曲げさせているので、その謝礼と言う意味もある。

 そんなあれこれを、僕は当然だけど口には出さない。 でも、アルゴさんも察してくれたらしく、『分かっタ』といかにも渋々と言った声音で答えてコルを受け取った。

 けれど、そこで終わらないのがアルゴさんのアルゴさんたる所以だ。
 僕に何を言うでもなくウインドウを操作してストレージから羊皮紙でできたスクロールを取り出すと、
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