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SAO42-守らりたい者
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空から銀色に光るオオワシモンスターが奇襲を仕掛けてきた。でも、問題はなかった。とっさに反応して攻撃が当たることなく後ろへと下がりつつ、一気に距離を縮めて『辻風』の居合い斬りで確実にダメージを与える。その隙にもう一体のモンスターが空から襲撃してくるけど、問題はない。
 問題があるとすれば……。

「好きなように避けて」

 漆黒の危険すぎる無茶ぶりな指示。それはもう、味方に不意打ちをされることを前提で頭に捉えないと実行できない、と思う。なんせ今までと違う戦法を行っているのに加え、本番ぶっつけでやっているのだから。私としてはこんなことやりたくない。なにが悲しくて味方の攻撃が当たる前提で連携しなくちゃならないんだ。でも悔しいことに、何回かやってきて自分でもわかるようになってきたのが複雑な気分だ。

「無茶言わないでよ!」
 
 文句を言いつつ、とりあえずは漆黒の指示通り私はすれ違うように後ろへ下がるだけをした。これでモンスターの攻撃を避けることができ、すぐさま漆黒がスキルで攻撃を仕掛ける。
これが私と漆黒の変形スイッチ。普通は二人が一体のモンスターに同時に攻撃を仕掛けると、間違って仲間同士にダメージを受けるし邪魔をしてしまうので、スイッチで連携して倒していく。だけど、私と漆黒のスイッチは誰かが相手の行動を止めることではなく、私が味方の攻撃を避けることで、味方の一人が瞬時に連携攻撃を繰り出す。それは二人同時に攻撃をすることに限りなく近い形へとなっており、モンスターを倒す速度は通常よりも早くなっているはずだ。

「慣れたものね」
「慣れさせられたんだけどね……」

 私としては、もっと安全に戦って勝利がしたいんだけど。回避に失敗すれば、私は漆黒の居合いの餌食にされるし、失敗して、敵からの攻撃を受けてHPが0になる可能性だってあるんだから。
 便利だけどその分のデメリットはある。頭はいつも以上に思考を回転させて、回避をしなくちゃならないから大変だよ。

「あんまり変なこと考えないほうがいいわ。余計なこと考えて、いつか足元を|(すく)われるわよ」
「だったら、もっと安全な方法はないのかしら?」
「安全よりも、危険を承知で行動したほうがプラスになるわ」
「無茶苦茶だよ!」

 あの日の私は独りでも十分に戦うために必死で習得した回避が、いつかこんなことになるとは思いもしなかったな。いや、思えるはずないか、こんな無茶苦茶な連携考えても実行できるか。
 そういえば、私を助けてくれたあの人……今頃、何しているのかな?

「……ねぇ」
「あひゃっ!?」
「気持ち悪い奇声発しないで」
「き、気持ち悪い!? あの子はどうしているのかなっとか、思い返しちゃ駄目なの!?」
「私が言ったのは奇声。それ気持ち悪いからやめて」

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