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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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ノドが干上がる。

だが、すでに完全に発動体勢に入っていた《地走り》は止められない。

結果、僅かに崩れた体勢によって本来は出ないはずの《足音》が背後で鳴り響き、着地時にもしわ寄せが来た。

「ぐっ!」

ざりざり、という音が腕の内側で破裂し、右二の腕の辺りが硬い岩に削られる。

どうやら、焦って飛んだせいもあり、そこまで距離は稼げていないらしい。

南部に広がる山麓地帯。もといた山から、せいぜい山一つ越えたくらいの距離しか移動していなかった。

「ッ!早く対策を考えなきゃ……。狂怒!狂楽!」

―――オウ。

―――ソンナニ怒鳴ラナクテモ聞コエルッテバ。

身体の内から響く二匹の《鬼》の声に向かい、少年は怒鳴る。

「アレは何!?どうなったらああなるの!!?」

―――ソレハ……

だが、レンはその答えを聞くことはできなかった。

いや、狂怒はちゃんと答えてくれたのだろう。だが、それを受け取る心のほうが先に、受け入れる態勢を放棄してしまったのだ。

なぜなら――――










《ソレ》は、遠方からもはっきりと視認できた。

レンが消えてから、諦めも悪く周囲を捜索していたユウキは、ちょうど行われたサテライト・スキャンを見るために端末に目を落としていたところ、詳しく目を走らせる前に自らを呼ぶリラの声に気が付いた。

「ちょ、ユウキ!あれ!!」

「いた!?」

「違う!南のほう見て!」

同性から見ても綺麗で、時々少しだけ独特なイントネーションを持つリラの声が、普段の彼女の傲岸不遜ぶりを見ていれば信じられないほどの焦りと不安、そして僅かな畏怖のようなものを持っていて、思わず何も聞かずに少女は首を巡らせた。

正直、南のほうとは言っても、そこまで地理感覚には優れている訳ではない。懸命に頭に叩き込んだはずのステージマップも、度重なる出来事のせいで半ば以上が欠け落ちていた。

だが、それでもユウキはリラの声が指し示す《ソレ》には気付けた。

なぜなら――――

闇夜に沈む山々のシルエット。深い藍色をバックにそびえる赤茶けた大地は、どこか神秘的で荒廃的な雄大さをたたえている。

その間から。



《白》が、立ち上がった。



「…………………………………………………………………………ぇ」

一言で表すなら、巨人。

二足二腕。恐竜のような前傾姿勢ではなく、確かに二本の脚で屹立するその姿は人間型のそれである。だが、肩口から大きく伸びたスパイクのようなものや、本来ならば頭部があるべき位置が妙にのっぺりしていることなど、差異はある。

ただ一つ言えることは、《ソレ》のシルエットは流線型を描き、無機物的な印象
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