第二章
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「私が三年で写真部でね」
「あれっ、じゃあ警部も」
「そう、写真部に入っていたんだ」
「そうだったんですか、警部が」
「あの時のあいつはね」
それこそというのだ。
「勉強以外は写真にしか興味がなくて」
「へえ、今とは全然違うんですね」
「あいつが自分から言ってただろ」
「はい、昔は本当にトレーニングとは無縁だったと」
「そうだったんだよ、勉強は出来たけれど」
それでもというのだ。
「トレーニングなんてね」
「拳法とかは」
「全然縁がなかったんだよ、大学でもね」
「大学も同じだったんですね」
「そうだよ、あいつも私と同じ大学に入学してね」
そこでも一緒だったというのだ。
「また写真部で一緒だったんだ」
「そこでもですか」
「そう、それでやっぱりね」
「トレーニングとは無縁だったんですね」
「全くね」
「警部の仰る通りだたtんですね」
「まだ私はね」
部長はというと。
「写真部だったけれどスポーツもしていて」
「運動神経は」
「あったよ、野球とかバスケも好きで」
「今も野球されてますしね」
台北市警野球部のキャプテンでもあるのだ。
「それでなんですか」
「うん、私はスポーツはしていたけれど」
「警部は、ですか」
「本当に青白くてひょろ長い」
「そんな人だったんですね」
「こんなのだったんだよ」
ここでだ、部長は。
曹に一枚の写真を出した、そこには。
今よりは幾分か痩せていてだ、若い部長がいて。
彼と肩を組んでいる背は高いが青白い肌に痩せた青年が笑顔でいた。
その青年の顔に面影を見てだ、曹は言った。
「警部ですか」
「そう、あいつだよ」
「全然違いますね」
「そうだよね」
「はい、本当に」
「けれどこれがなんだよ」
部長は曹に真剣に話す。
「あいつだよ」
「学生時代の警部ですか」
「うん、そうなんだよ」
「ううん、本当に違いますね」
「そうだったんだよ、それで警察に入ったのも」
それもというのだ。
「上級でね」
「そんな現場でああして活躍されるよりも」
「官僚としてね」
「採用されたんですね」
「私も基本そうだったんだがね」
所謂キャリアだったというのだ。
「あいつはもうね」
「完全にですか」
「デスクワークとか。そうしたのを念頭に置いてね」
「採用されたんですね」
「そうだったんだよ」
「それがどうしてなんですか?」
心から首を傾げさせてだ、曹は部長に尋ねた。
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