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ルネサンス
第四章
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「願いが適ったわ、けれどね」
「それでもなのね」
「他のものも見たいっていうのね」
「ルネサンスの作品」
「それでまた、なのね」
「お金貯めるわ」
 勿論スーパーでレジ打ちをしてだ。
「それでまた行くわ」
「それで今度は何処に行くの?」
「イタリア?それともフランス?」
 ここでこう問われた。
「どっちに行くの?」
「イタリアよ」
 私は微笑んでその質問に答えた。
「ルネサンスはスペインやオランダでもあったけれどね」
「あとイギリスでもよね」
「ええ、シェークスピアもだから」
 ルネサンス芸術に入るのだ、シェークスピアの文学作品も。実は私もシェークスピアの本を読んでいる。
「範囲は広いのよ。けれどね」
「今回もなのね」
「イタリアに行って来るわ」
「やっぱりルネサンスの本場だから」
「だからね」 
「行くのね、イタリア」
「ええ、今回もね」
 私はにこりと笑って友人に答えた、そして実際にまたイタリアに行った。
 就職活動では旅行会社、海外旅行に強い会社ばかり選んで試験を受けた。けれど残念だけれど何処からも内定を貰えなくて。
 気付いたら保険というか就職浪人は嫌なのでと思って受けた食品会社に入社することになった、けれど。
 その入社面接の時にだ、是非イタリア料理の方に行きたいと言ったせいか。
 私はイタリア料理の担当になった、それでだった。
 オリーブやワインを扱っていた、そして。
 お金が貯まって有給休暇を使って時間があればイタリアに行ってだった。ルネサンスの芸術作品を鑑賞した。日本に作品が来て展示会になれば。
 すぐにそこに行った、殆どイタリアに行く為に生きている様なものだった。
 その私にだ、ある日職場の男の先輩が笑顔で言って来た。
「おいイタ子」
「イタ子?」
「ああ、御前の仇名だよ」
 先輩は笑って私に言って来た。
「いい仇名だよ」
「どういう意味ですか?イタ子って」
「いや、御前イタリア料理担当だろ」
 イタリアからの輸入の仕事を担当している。
「それでいつも休暇の時はイタリアに行くだろ」
「はい、学生の頃から」
「だからな」
「イタ子なんですか」
「イタリアばかりだからな、着てる服は地味だけれどな」
「服は関係ありません」 
 私はむっとしてこのことには反論した、着ている服はズボンばかりで日本の服しかない。イタリアの服は正直私には高い。ブランドを買う位なら旅行に行っている。
「それでもなんですか」
「ああ、話とか旅行からの土産だってな」
「イタリアだからですか」
「御前イタ子な。嫌か?」
「別に嫌じゃないです」
 何か語呂がよくて実は気に入った、それでこう返した。
「マカロニとかピザでも別に」
「ああ、そっちもいいな」
「はい、けれど
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