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ルネサンス
第二章
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「何度も行ってイタリア中を見て回りたいわ」
「イタリアね」
「そこまでイタリアが好きなのね」
「ルネサンスが」
「そこまで好きなのね」
「ええ、憧れよ」
 本当にそうだった、私の中では。
「ルネサンスってイタリアだけじゃないけれどね」
「発祥がイタリアだから」
「やっぱりイタリアが第一になるのね」
「そうなの、今アルバイトをしてお金を貯めてるから」
 実際にそうしている、スーパーでこつこつとレジ打ちをして。
「そのお金でね」
「イタリアに行くのね」
「実際に」
「そうするわ、本当に楽しみだわ」
 私は心から皆に行った、そしてだった。
 アルバイトに励み続けた、勿論イタリア語の勉強やパスポートの手続きも忘れていなかった。そしてお金が貯まってから。
 ツアーではじめてのイタリア旅行に言った、最初に来たローマのその街並みを見てだった。私は思わずこう言った。
「写真で観るよりも」
「ずっといいですか」
「はい」
 うっとりとしてだ、私はガイドさんに答えた。
「何か歴史を感じますね」
「よくそう言う人がいますね」
 ガイドさんは優しい笑顔で私に答えた。
「この街に歴史を感じると」
「実際にそうですよね」
「はい、歴史があるかといいますと」
 ガイドさんも確かな顔で話してくれた。どこまでも広がる青空のその下にあるローマの白い建物達を見ながら。
「あります」
「やっぱりそうですよね」
「ロムルスとレムスが築いた頃からの」
「あの伝説の、ですね」
「そうです、この街は二千年以上の歴史があり」
「ローマ帝国があり」
「そしてですね」
 ここから先はだ、私は自分から言った。目の前に聖天使城があった。その重厚だけれどそれでいて美しさもある城塞も見つつ。
「ルネサンスも」
「はい、ダ=ヴィンチやミケランジェロの」
「文化においてもです」
「ローマは長い歴史がありますよね」
「それも栄えている」
「それを見たくてツアーに参加しました」
 私は満面の笑みでガイドさんに言った。
「是非と思いまして」
「それで、ですか」
「はい、ただ」
「ただ?」
「ローマだけではないですよね」
 私はツアーの予定は頭に入っていた、ガイドさんにその予定を確認する為に尋ねた。
「フィレンツェやヴェネツィアにも」
「ミラノにも行きますよ」
「そうでしたね」
「今回は北イタリアを回ります」
 ローマはローマの中央にあるけれど今回は北に入っていた。
「それでルネサンスの芸術作品もです」
「見ていきますね」
「そうしますので」
「楽しみにさせてもらいます」
「ダ=ヴィンチも見ますよ」
 あの芸術家の作品もというのだ。
「勿論他の芸術家の作品もです」
「ミケランジェロやラファエロのものも」

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