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ベスト・パートナーは貴方だけ

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度知的生命体《 エルフ》”? ……以前会った子は、“魔女の智慧( ウィッチクラフト)”でちょっとした炎を出していたけれど……」
「カレンノワールを御存じなのですか? 私もよく知っている子です」
「以前ちょっとね。んー、でもそんなにすごい事はできないと聞いたわ。せいぜいそこらにある薬品なんかを使えば再現できる事しか、自分達には能力はないって」
「……はい。それでも彼らにとっては重要な物らしいです」
「……まあいいわ。貴方を保護者に引き渡す。これは“約束”だから守るわ。それで何処に行けばいい?」
「リーンバーグ研究所まで行けば何とかなるかと」
「ちょっと遠いけれど、何とかするわ」

 アリシアがそう答えた所で、少し高い場所で隠れるように様子を見ていた“機械妖精(スチーム・アンドロイド )”のメイベルが飛んできて、

「き、来たよ」
「それで出口はどちらの方にあった?」
「多分あっち」

 指さす方向は壁だ。
 開かれているとはいえ、窓もあるにはあるのだけれどその開ける音で気付かれる可能性もあるし、その先が行き止まりなのは困る。
 だから“機械妖精(スチーム・アンドロイド )”のメイベルに探しに行ってもらったのだ。

 ただ見る限り壁しかこちらから見えないので、もう少しずれた場所、荷物で隠れたその先にあるのだろう。
 ただ少しの移動で彼らに場所が気付かれるのも考えられる。
 現在アリシアが隠れている場所からそちらに向かうのは、あの怪物と一度対峙しないといけないかもしれない。

 片腕がとれたといっても、その巨体を動かす“蒸気機械兵( スチーム・ロボット)”は脅威だ。
 どうしよう、どうすればいい、不安がアリシアの中で膨らむ。
 アーノルドならこういった時にどう行動するだろう?

 ああ見えて人のいい所がある彼を思い浮かべながら、彼の横に立ちたい自分を思い描きながらアリシアは、決めた。
 
「ここに隠れていて。私がよんだらすぐに……出口に向かって走りなさい。ここは私が食い止める」
「でも……」
「一人の方が身軽に動けるから、危険が少ないの。……いいわね」

 何かを言いたそうなシャーロットを残し、そこでアリシアは奇襲をしかけるべく移動を開始したのだった。
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