暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆初めての絶望、そして希望
第十四話 サチ
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に腰を下ろした。

「人はいつか必ず死ぬ。死んだら、それで全て終わりだ。死んだ後残るのは、その人が行った行為の結果だけ。その人が書いた日記、その人が作ったモノ、その人が残した知識、その人が助けた命、その人が愛した記憶、その人が生んだ子供。人はなんのために生きるかっていう質問に答えがあるとすれば、僕は『この世に自分が生きた痕を残すため』って答えるね。」
サチが顔を上げてマルバのほうを見た。マルバも顔を上げ、正面からサチを見つめる。

「それが、マルバが戦う意味なの?戦うことでマルバは何を遺したいの?」
「わからない。でも、僕はこの世界なら自分が生きた証を残せる気がしたんだ。僕はこの世界で死ぬかもしれない。それでも、僕は自分が生きた証として、この世界のクリアを目指す。」

そこまで言うと、マルバはサチから視線を外して目の前の水面を見た。水面に揺らぐ自分と目が合う。思わず目をそらすと、同じく揺らぐサチの顔が見えた。

「サチは、自分が戦う意味ってなんだと思う?」
「それは……わかんない。……でも、マルバの話を聞いてたら、私にもいつかその意味が見つけられる気がしてきたよ。……私は、自分がこの世界で戦う意味、この世界で生きた意味を見つけるまで死ぬわけにはいかない。見つける前に死んじゃったら、私がここで生きた意味がなかったってことになっちゃうもんね。例えこんな理不尽な世界で死ぬことになったとしても、私はなんの意味もなく死んだりするのなんて嫌だよ。」
ちょっと笑うと、サチは立ち上がって言った。

「ありがとう、マルバ。私、頑張るよ。」
「サチは十分頑張ってるよ。」
「ううん、私はずっと逃げてたんだ。目標を持って戦ってなかった。……ねえ、私にも見つかるよね。この世界に来ちゃった意味、この世界で戦う意味。」

マルバは立ち上がるとサチの視線を正面から受け止めて言った。
「見つかるさ、いつか必ず。さあ、行こうよ。みんなが待ってる。」

そう言うと、マルバは宿屋に向かって歩き出した。その後ろを追いかける小さな足音を聞きながら。






十八日目。

「それじゃ僕は行ってくるね。無茶しないでよ?」
マルバはついに欠けてしまったチャクラムの修復をしてもらいにリズベット武具店までいくことになっていた。また、ケイタはやっと溜まったコルでギルドホームを買うためマルバより少し前に始まりの街の不動産仲介プレイヤーと商談に出発している。そして、残りの四人はギルドホームを購入してほぼカラになってしまったコルを補充するため迷宮区で資金調達を行うことになったのだ。

教官(マルバ)リーダー(ケイタ)がいないんだから無茶なんてしないよ。昨日レベリングした階よりひとつ下の層の迷宮区でレベリングしてるから。」
「うーん、あそこか
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