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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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てこいよ、小娘」
「子供みたいな顔してる奴に、小娘なんて言われたくないわよ!」
「………」


                
―――ユーリの戦闘力が向上した。いや、向上を続ける。



 それは、魔人の使徒。宝石三姉妹の1人ガーネット、最大最悪の悪手である。

「へ……? な、なに? なにこれ?? 更に強くなってない??」

 それは、訊くまでもない事である。身震いさえしてしまう殺気。更にそれが高まり続けているのだから。

「……………煉獄」

 返答をする筈もなく、込められるのはどす黒い殺気。剣に帯び始める殺気は まるで黒水晶(モリオン)の様に、美しくも、何処か恐ろしい。

「爆砕(怒号)!!」
「え……! きゃ、きゃあああああっっ!!」

 大地に、その黒水晶の剣を叩きつけた。
 その攻撃は、ガーネットに届いてもいないと言うのに、一体何をしているのか? とガーネットが呆気にとられたのは一瞬である。
 剣を叩きつけた場所に 亀裂が生まれ、ガーネットの方にまで伸び、一気に爆発。まるで火山が噴火したのか? と思える様な爆発が生まれたのだ。 ガーネットは その爆撃に吹き飛ばされてしまったのだ。


 それは、チューリップも真っ青な一撃である。




             

 
「あ、あははは……ちょっと相手が可哀想に思えた」
「……はぁ。いつも思うけど、ほんと、どんだけ気にしてんのよ。アイツ」
「ま、まぁ ね? それにしても、ロゼってほんと凄いよね……」


 マリアは、殺されそうになった、と言うのにガーネットに同情。志津香も半ば呆れていた。……さっき、自分も思った事だが とりあえず置いておく。
 ユーリをここまで敏感にさせたロゼを思ってしまうのも仕方がない事だった。







 そして、その後。突然戦場に現れて、場を乱したガーネットだったのだが、まさに鬼神と化したユーリの攻撃に逃げの一手しか取れなかった。
 その上、チューリップ3号まで合流し、砲撃の雨あられ。魔力と魔法で勝負が真骨頂である、と言える魔法使い。そして、暴言(・・)。完全な選択ミスである。


「ぅぅぅぅ……、な、なんなんだよーーー! アイツはーーーっっ!! 反則! 卑怯っ!! ちーとだぁぁ!!」


 泣き声、とも言えない哀愁じみた声が響き渡る。
 女にも、暴言(ガキ)を言われたユーリは容赦がない。……訳でもない。男だったら 多分生きてはいないだろうから。これまでの敵がそうだった様に。

 色んな意味で、散々であり、楽しみつつ、アイゼルの役に立とうと張り切っていたガーネットだったが、全く駄目駄目だった。

 






        
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