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逆襲のアムロ
12話 満ちた時の果てに・・・ 11.20
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* インド カンプル市 11.20 11:00


インドのカンプル市は有数の工業都市であり、インドでも指折りの大都市であった。鉄道網、学問の研究機関等も充実し、駅前周辺にはタワーマンションやショッピングモールが立ち並び、その傍には連邦政府公営の広大な公園が横たわっている。

待ち往くひとたちは皆裕福そうな人たちで休日になると繁華街の通り、ショッピングモールや公園等は子供連れやカップルで賑わいを見せていた。

そんな一見華やかさを見せる表と反対に路地に入ると貧困で喘ぐ老若男女が地べたに座り込み、物乞いをしてる者もいれば、料理屋から出たごみ箱を漁り、飢えを凌ぐ者がいた。

連邦政府の強引な市場強化による弊害だった。富裕層の多くは選挙での候補者を自分寄りの都合の良い人を立てて、その人が当選を果たし富裕層のための政策を実施していく。

力無き者は全て行政代執行により、淘汰されていった。役所も地元企業との癒着で腐りきり、弱肉強食の時代そのものをこの街は投影していた。そして、近くには連邦のマドラス基地があった。よってここでは戦争の被害が少ない。

道々に動かなくなった小さな子が横たわっていたり、生活の不満からギャングになり、弱い貧困の老人をリンチしたり、窃盗、強盗を働くものもいた。

スラム街に行けば、風俗や違法ギャンブルなど非合法な商売をするものが多くいた。働き手については地方より売り飛ばされたり、誘拐された子も少なくない。

そんな裏の顔を見せる街にシャアは宿を取り滞在していた。

恰好もスーツを着込み付け慣れていた仮面も取り、素顔で行動していた。
この街にシャアは思うところがあった。全ては勘であったが。

表向きの街の顔は大体見回った。成果としてシャアの満足するものは得られなかった。
すると自ずと裏の街の方となる。

シャアはガルマの下から出立する際に2つ身分証を渡されていた。
1つは民間人用。民間機での移動に役立つ身分証だった。
もう一つは連邦軍の軍籍証明だった。

両方とも人物が実在しているが既に行方不明のため、裏ルートより金を積んで入手したものでガルマは「戦時下故疑われないように動く必要があるだろう。気にせずもってけ」と言った。シャアも同感だった。


昼近くのスラム街を歩くが、ほとんどの店が閉めていて得られる情報は少なかった。


「ふう、中々暑いな・・・11月でも20℃もあるのではな」


シャアはジャケットを脱ぎ肩に掛けていた。
通る道の隅には体を寄り添って震えている姉妹らしき少女がいた。
シャアがその子たちを見下ろすと、その姉妹はビクッと反応して怯えていた。


「・・・お・・・お願い・・・です・・・触れないでください・・・」


シャアは悲しんだ。そして憤
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