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ソードアート・オンライン 〜紫紺の剣士〜
アインクラッド編
6.アルトの戦い方
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キル≪ホリゾンタル・スクエア≫を打ち込み、ミーシャが叫んだ。とうとう、HPがレッドになる。「よし!」と歓声をあげたのはシルストだ。魔人の剣が床と水平に構えられる。目の前にいるのはナツ。
その瞬間、アンは違和感を覚えた。――――――――溜めの向きが、微妙に違う。
アルトが「全員下がれ!」と叫ぶのと、魔人が攻撃を放ったのは、ほぼ同時だった。
両手剣ソードスキル≪サイクロン≫――――――――攻撃範囲、全方位。
視界のパーティー平均HPが、一気に赤く染まった。元々レベルが高いアルトと離れた場所にいたアン以外、全員レッドに落ちている。(タンク)であるはずのナツまでが、全方位のソードスキルに対応しきれなかったらしい。
ミーシャは吹き飛ばされながらも回復結晶を取り出そうとした。しかし、その手が一瞬凍りつく。
残っている結晶は、もうなかった。
どうすれば――――――――――――。
止まりかけた思考を、1人の青年の声が揺さぶった。
「俺がタゲを取る!他は下がってポーションで回復しろ!アン、援護してくれ!」
アルトはそう叫ぶと――――――――片手で、両手剣を構えた。
「え・・・!」
ミーシャの驚きの声をよそに、魔人の剣が降り下ろされ、アルトが手が霞むほどの速度でそれを迎え撃った。ガアン!と大音響を撒き散らす。これまでのように完全に剣を止めるのではなく、斬り払いで軌道を変えたのだ。しかしあれほどの威力、しかも両手剣を片手で受けるのは、いったいどれだけの筋力値、そしてスピードが必要なのか、アン達には検討もつかなかった。


回復用のハイ・ポーションを飲み、じりじりと増えていく仲間達のHPを確認しながら、アンはもう何度目かも分からない円月輪(チャクラム)スキル≪ハーフムーン≫を放った。文字通り半円の軌道を描き、円月輪(チャクラム)がヒット。アルトは神がかり的なぶつかり合いを何度も繰り返し、少しでも隙ができればすかさずソードスキルを打ち込む。
――――――――あと少し、あと少し・・・!
しかし、そこでアルトが致命的なミスをしてしまった。やはり疲労が溜まっていたのか、うまくパリィできずに刃をまともに食らってしまい、壁に叩きつけられる。アルトのHPがごっそり減る。
「ぐ・・・!」
呻き、それでも立ち上がろうとしたアルトに、追撃の手が迫る。
「アルトさん!」
ナツが叫んだ。アンの円月輪(チャクラム)では魔人を止めるのは難しい。それでも投げようとした、その瞬間。
「ハアァ!」
裂帛の気合いと共に、ミーシャが片手剣ソードスキル≪スラント≫を放つ。魔人が仰け反る。HP、残り数パーセント。
「全員一斉攻撃!」
ミーシャの号令に、全員が床を蹴った。
ミーシャの片手剣ソードスキル≪シャープネイル≫。3連撃。
ナツの槍スキル≪ヴェント・フォース≫。4
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