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藤崎京之介怪異譚
case.6 「闇からの呼び声」
Y 同日.PM.9:28
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 メスターラー氏の報告を聞き、俺達はこれからどうすべきかを様々な意見を出し合いながら話していた。
 暫くして、そこへいきなり扉を開いて飛び込んできた者がいた。
「先生!」
 余りの慌てぶりに、俺達は皆席を立ち上がった。
「田邊君、一体どうしたんだ?君がこんなに慌てるなんて…。」
「先生…大変なんです!町中で、人が…人がバラバラになって降ってきたって!」
 その田邊の言葉に、俺達の表情は凍り付いた。まさか…こんなに早く事が起きるとは考えてなかったのだ。年が明けて暫くしてからだ…と、皆がそう考えていたのだ。
 古文書によれば、今までだったら例外なく年が明けてから暫くして事が起きている。これまで起きた事件も古文書に符号する部分が大きかったため、この後の経過も同様のケースを辿る…俺達はそう思い込んでいたのだ…。
「田邊君…詳しい情報を説明してくれ。」
「はい。」
 田邊は幾分気力を取り戻し、俺達に対して起きた事実を報告してくれた。
 先ず、西の区画で突然人が消えたという通報が警察に入ったそうだ。その通報を受け、警察は直ぐに動いた。シンクレア神父の件も片付いてないため、そこから手掛かりを得られると考えたのだろう。
 最初、警察は警官二名を赴かせて通報者から詳しい話を聞いていたようだが、今度はその警官二名が煙りの如く消え去った。それも大勢の人の目の前からだ。
 警官が消えたのを見た市民はパニックに陥り、西の区画は警官二十名でその騒ぎを沈めていたが、今度は南の区画でパニックが起こった。
「南の区画に…消えた三人のうち、一名と…半分がバラバラになって降ってきたんだそうです…。」
 田邊の話を聞き、俺達の背筋は凍り付いた…。古文書通りならば…有り得る話なのだ…。ただ、その古文書に日付や、それらが判る記述が無かっただけなのだ…。
 このままでは…犠牲者が増えるばかりだろう…。
「伯父様…このままでは…。」
「解っておる。征一郎君、直ぐに準備にかかってくれ。」
 アウグスト伯父は父にそう言うと、父は真剣な表情で答えた。
「では、私はアンデレ教会へ向かいます。時間はどういたしますか?」
「0時じゃ。我々も直ぐに支度を整えるでな。では、くれぐれも用心するんじゃぞ。」
 伯父の言葉に「分かっていますよ。」と父は返答し、直ぐに食堂から出ていってしまった。
 だが、俺には一体何が始まったのか理解出来なかった。そんな俺に、アウグスト伯父は振り返ってこう言ったのだった。
「京之介。お前は聖マタイ教会でオルガンを演奏してほしい。一時凌ぎにしかならんじゃろうが、この騒ぎを止めねばならん。わしはこの聖堂で声楽をやる。後、わしの二人の弟子を二つの教会へと向かわせるでな。」
 そう言われ、俺はアウグスト伯父等が何をしようとしているのか何となく理解
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