暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
Dancing in the dark
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と、力が三つに分かれた三匹の《鬼》が誕生したのだ。

それは逆に言えば、それら四つを揃えれば、再び《災禍の鎧》が復活するということに他ならない。

もともと、ピースは揃っていた。それが偶発的なものか、はたまた恣意的なものが介入していたのかは別として。

五代目《鎧》討伐の時、レンの心に巣くった《狂怒》

ALOにてレンが下した《狂楽》

そして、ユウキ自身が埋め込んだ、埋め込んでしまった――――《核》

だが、まだ足りない。

もし揃っていたならば、レンだろうともここに来るまでの間、いや《核》を埋め込まれた瞬間に《鎧》と化していたはずだ。

そう、彼の言が正しければ、まだ、もう一ピースある。

他でもない、元凶。

フェイバルの(なか)に在る、存在。

《狂哀》

―――とはッ……いっ…ても!

破壊不能というシステムの定義に真っ向から反するような、地を割るような大撃を紙一重で避けながらユウキは思う。

―――そもそも行動に移れない!レンが強いのは分かってたけど、ここまでなんて!!

そもそもの話。

攻撃のプロセスがあまりにも異なりすぎている。

一撃離脱(ヒットアンドアウェイ)というのは、敏捷値優先型ビルドであるプレイヤーがとる極めて一般的で普遍的な戦術だが、言うなればその究極が現在のレンだ。

一合、普通ならば鍔迫り合いでもし、互いの力量を図る一瞬のうちに、《ソレ》は多方向から()()()攻撃してくるのだ。一撃に込める意味があまりにも小さい。一撃をして二撃、ではなく多撃をして一撃なのである。

質ではなく、量をもって問答無用に圧し流し、押し潰す。

時間制限(タイムリミット)があるかは判らない。もう手遅れかもしれない。

死ぬ気で回避し、受け流し、どうにかガードと呼べる一瞬の均衡で見える少年の腕はドス黒く、そして鈍い光を放っている。もう、過去の所有者達と同じように、精神まで汚染されて突き動かされるような狂気に身を任せているかもしれない。

でも。

だけど。

足掻くのをやめる理由にはならない。

ギリィッ、と。

骨が軋むほどに強く剣を握り直し、《絶剣》は前を向く。

手元の光剣の剣身は、明らかに戦闘開始時と比べて輝きが減っていた。出力が出ていない。光剣は普通の光線銃と同じように、エネルギーパックで刀身を維持している。実弾銃に比べれば随分燃費は良い方だが、それでも限度はある。

心意は決して万能の力などではない。

いくらなんでも、宿らせる刀身もなしに剣を顕現させることなどユウキにはできない。

―――どうしたら……!?

焦燥に目を細める少女の意思とは裏腹に、いやその意思に応えるかのように、手中の剣は彼女を
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