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M?R - メルヘヴン - 竜殺しの騎士
031話
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「それにしてもびっくりしたよ、明日は休みだから一日分修練の門に入るっていきなり言うんだもん」
「ファヴニールを使った時に俺は倒れてしまった、それで君に余計な心配を掛けてしまったからな。もうそんな思いをさせたくない。それにあの男に勝つためだ」

あの男、それは紛れも無くカルナの事をさしている言葉だった。今の自分であの大英雄に勝つ事など出来るのだろうか、彼は優れた槍の使い手というだけではない。彼が着ていた黄金の鎧こそが問題になる。

日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)。物理・概念を問わずあらゆる敵対干渉を削減する無敵の鎧、この鎧を着けている限りカルナに与えられるダメージは十分の一になってしまうという正しく無敵の鎧。Bランク以下の攻撃を無効化しそれ以上の攻撃もダメージ軽減する悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)と似通った力を有している。

だが総合的な防御力では明らかに無効が上回っている。悪竜の血鎧には決定的な弱点がある、それは背中にある、葉の様な形の跡が残っている部分のみその効力は発揮せず、その個所を隠すことも出来ない。背中に防具を纏っていないのもそれが理由である。

「なあドロシー、このまま修行を続けてファヴニールを制御できるだけの魔力を確保出来ると思うか?」
「う〜ん………かなり、難しいと思う。直接ファヴニールを見た訳じゃないけどのあの竜はとんでもないガーディアンだし、人一人で生み出せる魔力じゃ限界があるし難しいわ」
「やっぱりか………」

帰ってくるであろう返答をある程度予想していたジークは溜息を漏らす。このまま鍛え続けて魔力が増えても高が知れている、あの化け物を制御する為に必要な魔力は最低でもランクB+は必要だ。ドロシーとの修行はかなり効率がよくいい経験にもなるが成長してもBまでが限界になるだろう。

「………やれやれ、死ぬ気で魔力捻出でもするか」
「そんな事したらジーくんどうなるか解ってるの!?」

全力で魔力を搾り出す気持ちを固めようとしていたジークを止めたドロシー、始めた使用した直後は魔力が枯渇し精神力も切れ掛かるほどだったのにそれでも更に魔力を作り出すとなる身体にどんな影響が出るのか解った物ではない。精神が壊れる事さえ有り得る。

「言ったじゃない!私の傍に居てくれるって!!」
「ああ約束した、だからこそだよ。君の傍に居るために、戦うんだ」
「ジーくん……」

自分の為に戦う、だがそれは死ぬかもしれない。矛盾を孕んでも彼には戦うという道しか残されていない。そんな彼のために何も出来ないドロシーは歯痒かった、だがそんな時に彼女の脳裏に名案が浮かんだ。

「そうだ、そうだよジーくん!一人の魔力で駄目だったら二人で賄えばいいんだよ!」
「ふ、二人で?」
「そうだよ!私とジーく
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