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ストレスが消えて
第二章

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「甲子園でカープに三連敗だ」
「今年カープに弱いな、阪神」
「いつもここぞって時に負けるんだよな」
「それも甲子園でもな」
「ここで首位を守らないといけなかったのにな」
「首位陥落だ、そしてだ」
 さらに言う美作だった。
「俺自身もな」
「便秘か」
「それも一週間か」
「十日だ」
 もう三ランク上だった、一日が一ランクである。
「それだけ続いている」
「そうか、十日か」
「その間ずっとか」
「それが確かに辛いな」
「地獄だな」
「プルーンも牛乳もカボチャもサツマイモも効かない」
 そうしたものを口にしてもというのだ。
「牛蒡もファイブミニもな」
「何食っても飲んでも駄目か」
「それで十日か」
「それはストレスだな」
「阪神絡みだけじゃないな」
「しかもだ」
 さらに言うのだった。
「家の猫が最近普段以上に凶暴でだ」
「噛まれてか」
「それで大変なんだな」
「俺のベッドで勝手に寝て俺が家に帰ったら毎日飛びかかってきて餌を少しやらないと噛んでくる」
 そうしただ、我が儘三昧だというのだ。
「猫は確かに我が儘だがな」
「いつも以上にか」
「猫が我が儘か」
「それもきついな」
「相当にな」
「しかも最近常連の親父のマナーが悪い」
 店の話も当たっていた。
「二度漬け、ビールを飲みまくって馬鹿騒ぎをしてしかもツケにしろとか言い出したうえ食った後の皿に痰を吐く」
「えっ、それは酷いな」
「二度漬けでも大概なのにな」
「騒いで皿に痰か」
「皿に痰は幾らでもないだろ」
「正直殴ってやりたい」
 美作は不機嫌そのものの顔で言った。
「二度漬けでもそうだが」
「ちょっと痰はな」
「下品過ぎるだろ」
「人間としてどうなんだ」
「見て嫌になるな」
「その客が最近よく来ていてだ」
 このことでもというのだ。
「腹が立っている」
「何か大変だな」
「それでストレス溜まりまくっててか」
「それだけ不機嫌なんだな」
「そういうことか」
「そうだ、正直鬱屈している」 
 まさにその鬱屈が出ている顔だった。
「どうしたものか」
「まあそれはな」
「洒落になってないな」
「そこまでいくと地獄だな」
「どうにもならないな」
「阪神はチャンスに弱い」
 美作はこの事実も言った。
「これからどうなるか」
「期待してたら負けるチームだしな」
「それも最高の負け方するしな」
「阪神はもうな」
「期待するしかないな」
「期待してもだけれどな」
「便秘もな」
 それもだった。
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