暁 〜小説投稿サイト〜
オズのポリクローム
第七幕その三

[8]前話 [2]次話
「玉があって時々手から出して磨いているの」
「成程、そうだったんだ」
「磨かないと曇ってね」
 そしてというのです。
「制御する力が鈍るから」
「そうした事情があったんだね」
「玉がないと私の場合は虹だけど」
「虹をコントロール出来なくなるんだね」
「そう、虹をずっと出しっぱなしになるの」
 そうなってしまうというのです。
「だから制御する為に」
「精霊さん達に玉は必要なんだね」
「そうなの」
「そういうことだったんだね」
「それでなのです」
 また長が言ってきました。
「私がこうなっていてです」
「長さんの雷がですね」
「こうしてです」
「この雲をですね」
「始終覆って鳴らしています」
「そうだったのですか」
「正直困っています」
「では、です」
 ここで魔法使いがにこりと笑って長に言いました。
「私達でその玉を探して長にお渡ししましょう」
「いえ、私で探していますので」
「いえいえ、それでもです」
「探して頂けるのですか」
「はい」
 笑顔で、です。魔法使いは長に申し出ました。
「そうさせてもらいます」
「それは有り難いですが」
「空の冒険を楽しんでいましたが」 
 魔法使いはこうも言うのでした。
「困っている人を助けることは当然のことです」
「だからですか」
「ここはお任せ下さい」
 長に言うのでした。
「是非」
「そこまで仰るのなら」
「では今から探してきますので」
「有り難うございます、私も探していますが」
 ご自身もというのです。
「この通り雷を制御出来なくなっていますので」
「だからですね」
「はい、外に行けばです」
 この雲からです。
「雷で焦がしてしまい音が五月蝿く」
「それで、ですね」
「外に出られず」
「探そうにも」
「自分では出られない状況です」
 この雲からというのです。
「それで困っていまして」
「実は私達もです」
「探しているのですが」
「これが見付からず」
「困っています」
 他の精霊さん達も魔法使いにお話します、他の皆にもです。
「それで困っていまして」
「一体何処にあるのか」
「このままではです」
「お父様はずっとこうです」
 雷を制御出来ない状況のままだというのです。 
「ですからお助け頂けるなら」
「お礼は何でもします」
「是非共」
「わかっています、ただお礼はいいです」
 魔法使いはお礼については微笑んで穏やかに答えました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ