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東方夢想録
終わり、とは
最終話 見失った者へ、終わりと謝罪。そして、次へ
[前書き]

[8]前話 [1]本文
星花を連れて何処へ行くわけでもなく…
そして行動するわけでもなく…

特に何もすることがなかった。何もすることができなかった。
俺は自分の足では動けない。

いつも、俺を物語るものは、創造者によって物語られたものでしかなかったからだ。
でも、物語られることが無くなった今。俺は俺を物語ることもできない。
だから、動けないのだ。

ああ、辺りに暗闇が見えるだけで、なんの音も聞こえない。
いつも一緒に、手も離さず一緒にいた星花でさえいない。居ても、見えない、聞こえない、気配などない。
星花を映し出してくれる物語が、ないから…

俺は俺… 確か、俺は他の物語でも物語っていた。夢のように、現実のように。
どの俺も俺なのだろう… でも、どの俺も俺じゃないのだろう……
もう一度物語られるなら、この物語がいい。この物語にしか俺はいないはずだから。


闇に光が見え始めたのは、そう想い出したのと同時の出来事だった。

さようなら
また会おう
[8]前話 [1]本文


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