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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第3章 黄昏のノクターン  2022/12
21話 黒の薬師
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これにて閉講。しかし、意外なかたちではあるがギミック――――木の根元にキリトが残したであろう置手紙に浮き輪云々と書き残されていたが、見ないフリをさせていただこう――――は解明された。キリトは恐らくこれを用いて谷に繰り出したのだろう。ティルネル先生の話を聞く限り、これは浮き輪よろしく水に浮くらしい。実の空洞部分に胴を通せば顔を水没させて溺死するような事態にはならないはずだ。これには素直にティルネルが薬師であったことに感謝だ。
 ともあれ、全員分の浮き輪用――――加えて、ティルネルの申し出で調薬の材料用――――のフルスの実を調達。着衣泳に違和感のある女性陣はそれぞれ薄着になり、それに対して俺は防御面での不安から装備を変更せずにビート板――――何やら奇形らしいまな板状のフルスの実――――を小脇に抱えて入水。女性陣のように装備重量を減らすというのも、水濡れエフェクトを最大限押さえることで敏捷ステータスの低減を抑制する効果があるのだが、やはり馴染んだ装備を外すのは心許ない。おまけに、水中での移動速度は筋力値も参照されるので、多少は無理が効くだろう。それでも川の水流の速さを見れば、上陸ポイントから流されてしまいかねないとも考えられなくもないが、その点においては既に策を講じてあるので問題はないはずだ。
 隠しクエスト受領のため、新たな拠点に為り得る物件を探し当てるべく、キリトの後を追い縋る形で主街区を目指す。

――――編隊を組んだ浮き輪PTが、全力のバタ足でフカヒレから逃走する光景を他のプレイヤーに見られなかっただけ良しとしよう。
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