暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
再起-リヴァイヴァー-part2/兆しと和解
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「相棒、大丈夫か!?」
草原の上で、あちこち打撲が目立った状態でサイトは倒れていた。立つにも、デルフを杖代わりに体を支えるのがやっとだった。
そんな彼らの前に再びゲンが姿を見せる。彼の姿を見て、デルフは敵意をあらわにする…が、彼に対して言い換える言葉が見つからなかった。
わかっていたのだ。ゲンの…ウルトラマンレオの言っていた言葉がいずれも的を射抜いていたのだと。さっきの戦いでレオからあらゆることを指摘され、サイトもゼロも心を揺さぶられていた。自らの自由を奪うテクターギアの存在の有り無しの問題ではない。レオの言葉に揺さぶられるだけの要因を孕んでいた時点で、サイト=ゼロは最初から敗北していたのだ。
「レオ……」
サイトは、ゲンを睨みつけながら彼の名前を読んだ。確かに、レオの言っていたとおり自分が現実から目を背けたがっていたかもしれない。けど、こんな自分に対して…ここまでする意味があるのかと考え難く思った。時折現れる、厳しい鬼教師の生徒への対応に不満を持つ生徒のようだった。
しかし、ゲンからすればそんな生徒は…『甘ったれな生徒』でしかなかった。
「男は守るべきもののために戦わなくてはならない。何のためだ?」
厳しい眼差しを向けたまま、ゲンはサイトに、そしてゼロに問う。
「…え?」
「自分の後ろで、自分の家族や友人・恋人たちが何不自由ない平凡な一日を送るためだ。なのに、男まで幼い少女のように公園や家でままごとばかりしていたら…自分だけのやりたいことばかりに構えていたら…一体どうなる!?」
傍から見たら、ゲンは非難されるようなことをしているかもしれない。だが、今の彼の言動全ては的を射抜いていた。
「もしお前たちがそのようなことをして見せろ!地球だろうと、光の国だろうと、この世界だろうと、お前たちがこうして立っている大地が侵略者や怪獣に蹂躙されていくのを、愛する人たちが目の前から消えていく様を、お前たちの勇姿を見届けてくれた者たちが消えゆく様を、お前は指をくわえたまま見ていられるというのか!?この意気地無しめ!」
『「…!!」』
二人の、サイトとゼロの脳裏に衝撃の雷鳴が走る。
サイトは自分が地球へ帰るという選択がゲンの言う『幼い少女のように公園や家でままごとばかり』することに、ゼロは自分の場合だと『自分だけのやりたいこと』に繋がっていることに気づいた。
ゼロは、自分がラフレイアを倒した衝撃で破壊されてしまった…いや、己の手で破壊したラ・ロシェールの街のことを思い出した。またこの先、同じようなやり方で戦ったところで、同じ結果しか生み出せない。誰から認められもしなければ求められもしない、そして本来は悪を倒すことを生業とするウルトラ戦士でありながらいずれ排除される側に立たされる。あの悪名高い『ウルトラマンベリアル』がそうだったように…。
サイ
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