再会-リユニオン-part2/タルブに眠る先人
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一方で、アリゲラとの戦いを制したシュウは、ウエストウッド村に向かって飛ぶストーンフリューゲルの中で傷を癒していた。ストーンフリューゲルには、ウルトラマンネクサスの変身者=適能者(デュナミスト)の傷を癒すことができるのである。だが、今回は傷を負いすぎた。
(今度のビースト…いや、いい加減怪獣と呼び方を一括しておくべきか)
シュウの世界に出現した怪獣は全て『スペースビースト』という凶悪な種のみのため、ついビーストに分類されない怪獣もビーストと呼んでしまう。
ともあれ、今回の敵はかなり苦戦を強いられた。少なくとも自分のいた世界にあそこまで空を高スピードで飛ぶビーストはいなかった。もしかしたらいずれあの怪獣のようなビーストが地球にも現れるのでは?とも考えさせられる。
今の俺は地球に留まっている身ではない。ティファニアたちには別に帰れなくてもいいみたいなことは言っていたが、故郷の世界をいざ離れると心配せざるを得ないというものだろうか。…いや、自分がいなくても地球は大丈夫だろう。自分にはもったいないくらいの頼もしい上官や先輩がいるのだから。
しかし、気になる。なぜファウストは今回戦いを挑んでこなかったのだろう。奴はこれまで二度ほど勝負を仕掛けてきた。だが、今回は怪獣を差し向けて様子見とは、一体どういう風の吹き回しなのだろう。てっきりいつも通り戯れ感覚で襲ってくるのかと思っていたが。しかもあの時、アリゲラを倒した直後に姿を見せたあの妙な機械兵器を追い払って自分を助けたようなことまでした。奴は俺のことを獲物同然に見ているからか?それに奴の言っていた『同じ匂い』とはどういう意味だ?
(…やめるか)
これ以上予想をたてたところで答えなんて見るかるとは思えない。どうせ奴はろくな事なんて考えていない。どんな狙いのつもりかは知らないが、また現れたら今度こそ倒すだけだ。
今は、傷を癒して村に戻るに限る。今回は手傷を負わされ過ぎて怪我も思いのほかひどい。ティファニアたちにはあまり見られたくはない。時間をかけすぎると彼女たちに何を言われるかわからないし不信がられるのも不本意だから早く帰らなくては。
シュウが異空間で一人考え事にふける中、ストーンフリューゲルは遥か彼方へ飛び去って行った。
その様子を、どこからか見ていた何者かがいたことをシュウは知らない。まるで獰猛な獣のような息遣いで、じっと見続けていた…。
ルイズたちと別れ、サイトはただ一人当てもなく街の中へと繰り出していた。
もう朝日は立ち上り、町中を今日も新しい一日が始まったことを知らせる。ある人を希望に、ある人を憂鬱に浸らせるその朝日だが、サイトの心の中にまで差し込むことはなかった。それは、彼と同じ体を共有するゼロもまた同様だった。
今回の旅は、はっきり言ってさんざんな結果に終わった。何もこなせず、何も守
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