羨望-エンヴィ-part2/ルイズとサイトの離別!?
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食事は、貴族であるルイズたちから見るとわびしく見えるものだった。この村はマチルダが土くれのフーケとして金を稼がないと収入がない。子供たちの生活費のためにその大半を消費しているため、あまり多い方じゃない。当然豪勢な料理などでない…しかし、テーブルに並べられたパンやサラダにスープ。他にも近くの森で採れた木の実や果物も並べられているその光景は、見るからにとてもおいしそうな料理だと思わせる。そして、田舎風の味付けならではの味が楽しめる。
「へえ、なかなかおいしそうね。ねえタバサ」
「…ん」
キュルケの故郷ゲルマニアは、儲かりさえすれば平民も領地を買って貴族に昇格できる制度ができており、それもあって子供の頃のキュルケは平民の子供や他の貴族の子供たちと混じって遊んだ経験があるので気にしなかった。タバサも見かけによらず何でも食べることもあって同じだった。
「平民の料理を食べるなんて…」
「う、うむ…」
ただ、豪華な料理しか食べたことのないギーシュも、そして変なところばかり貴族として凝り固まっているルイズはそれ以上に、いつも食べている料理と比べて豪勢じゃないためテファの料理に違和感を覚えていた。
「テファ姉ちゃんの料理を食べない奴は悪い奴だ!」
「ちょ…!!」
テファの両意を食べることをルイズたちが渋っていることに気づいたジムが、二人に罵声を浴びせてきた。いきなり糾弾された二人は固まってしまう。
―――…残してんじゃねーよ。いけないんだー…。
ふと、あの時サイト(実際は彼の口を通してきたゼロ)が思わず口にしたボヤキが脳裏をよぎってルイズはカチンとなった。サイトを召還した次の日に、ニンジンを残した時にクラス全員からまた馬鹿にされた時の悪夢が蘇り、それがかえってルイズに食べる気を起こさせた。
「だ、誰も食べないなんて言ってないでしょ!ちゃんと食べるわよ!」
「れ、レディが用意した手料理を食べないなど紳士の恥!もちろん食べるともさ!」
女性の前で、カッコ悪いところは見せられまいと、ギーシュもまだ慣れていない平民料理に手を付ける決意を固めた。
どうせ平民の料理なんて…。平民の料理は口に合わないかも…そんな不安をよぎらせながら、二人はまず、テファの焼いたパンを食べた。
「おいし……っま、まあ…庶民の料理にしてはまあまあじゃない?」
思わずおいしいと言いかけたルイズだが、これをおいしいと素直に褒めたら貴族の癖にみずぼらしい料理を気に入った…つまり公爵家の癖に意地汚いと呼ばれると思ってしまい、頬を染めながら、本心とは異なるコメントと吐く。
しかし素直じゃないルイズとは打って変わって、ギーシュはおお!と、いつも食っているものとはまた違う味に感嘆した。
「正直庶民の料理には抵抗があった…だが!さすがはティファニア!美しく・可憐で・慈愛に満ちた…彼
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